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海の向こうはスカイツリー 東京・竹芝に高級店が開業

日経MJ

内装と調度品は全て間シェフがデザインした
内装と調度品は全て間シェフがデザインした

新型コロナウイルスの感染拡大防止の影響により、疲弊する飲食店は多い。対策としてポイント還元やプレミアム付き食事券などの「Go To イート」開始が期待されている。こうした支援により、非日常を味わえる高級店での利用が増えることが予想される。東京・竹芝で8月に開業したゴージャスなレストラン「SUD Restaurant/TERAKOYA(SUD TERAKOYA)」が注目を集めている。レストランやデリ販売などを手がける寺子屋(東京都小金井市)が運営する。

まずロケーションが素晴らしい。目前には東京湾ごしの東京スカイツリー、浜離宮の緑も見渡せる。都内の高級レストランといえば高層ビルの上層階が多いが、同店はビルの2階にあるので潮風や木々のさざめきが感じられ、まるでリゾートだ。

569平方メートルの広い店内は、メインダイニング、ラウンジバー、テラス席という、3つのゾーンに分かれている。さらに3つの個室も用意してある。

40席あるメインダイニングでは、間光男オーナーシェフが手がけるコース料理の数々が楽しめる。「Menu SUD Full Course」(税別1万5000円)は、この店のエッセンスが全て盛り込まれた12品を堪能できる。

最先端の料理を編み出すことで、世界中の料理人が注目する間シェフの料理はアミューズからデザートまで、一皿ごとに物語があり、オペラ鑑賞をしているかのようだ。

すしのような見た目だが、シャリはホタテ

前菜の「シグネチャープレート」は、有田焼の作家とコラボした奈良県明日香村の酒船石遺跡を模した器に盛られて登場。5つの栄養素からなるプチフードが並び、仕上げに生命のエネルギーを象徴した赤いビーツのソースをかけて食べるという、儀式めいた演出が五感をかき立てる。

知的好奇心を楽しませる料理だけでない。牛肉のステーキには濃厚でクラシカルなフォンドボーと赤ワインのソースが添えられる。これぞフレンチという主役は恍惚(こうこつ)を誘うほどに濃厚なひと皿だ。

取材時には「Menu SUD 3/4」(税別1万2000円)の9皿を食べたが、まるで小旅行に行ったかのような時間を過ごせた。これらコース料理は全て前日までの予約制なので利用時には注意したい。

バーエリアも終日利用でき。ホテルオークラ出身のバーテンダーがつくるカクテルを気軽に楽しめる。オープンエアーのテラス席はカフェとしても利用できるので、都市と自然が織りなす風景を楽しみながら一時を過ごせる。

「SUD TERAKOYA」はアフターコロナの東京観光のヒントにもなりそうだ。

同店が入っている複合商業施設「ウォーターズ竹芝」にある船着き場を使えば、浅草やお台場などの観光地から到着する水上バスから降りてそのまま来店できる。クルーズ後にそのままディナー、そんなシチュエーションも夢ではない。もう一つ、レストランウエディングにも対応する。

次回は間シェフに、これらを複合した店舗戦略とコロナ禍からアフターコロナへの思いを聞く。

(フードジャーナリスト 鈴木桂水)

鈴木桂水(すずき・けいすい)
フードジャーナリスト・食材プロデューサー。美味しいお店から繁盛店まで、飲食業界を幅広く取材。“美味しい料理のその前”が知りたくて、一次生産者へ興味が尽きず産地巡りの日々。取材で出会った産品の販路アドバイスも行う。

[日経MJ 2020年9月11日付]

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