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DMCの湯沢健さん

DMCの湯沢健さん

三菱商事の傘下でタイに本社を置く食品卸のディア・マーチャンダイズ・カンパニー(DMC)。現地で生鮮サーモンの販売拡大に取り組む湯沢健氏(38)は、鮮度維持などの工夫を重ねてトップ級のシェアを獲得。新型コロナウイルス禍で打撃を受けつつも、顧客の経営を食品卸の立場から支援して新たな信頼関係を育んでいる。

新型コロナの猛威はタイにも広がった。外食産業が一時は壊滅的な打撃を受け、売り上げが通常の1割にとどまったり、閉店を余儀なくされたりした。DMCの売り上げは3割が外食向け。同社も大きな痛手を被った。

売掛金先延ばし

ただ湯沢氏はこう話す。「商売は戦いではない。ビジネスのパートナーとして互いのために何ができるかを考え、顧客のことをよく知ることが大事なんだ」。言葉だけではない。コロナに苦しむ外食産業のために売掛金の回収を先延ばしにしたり、政府による救済策の情報を集めて提供したり。家賃の引き下げ交渉がうまくいった事例を集め、オーナーとの交渉も勧めた。

サケを1匹丸ごと卸していたレストランには、協力工場と連携して3枚におろして小骨を抜いた上で提供し、下ごしらえの手間を省いた。調理場の人手が足りなくても店が回せるように配慮したのだ。

「家賃負担のようなお金の話まで聞かせてもらった。それで助けなければひどいじゃないですか」。コロナ禍を経て、顧客との間に新たな信頼関係が生まれた。

三菱商事の子会社であるDMCは、タイを中心に東南アジアでレストランや食品工場、小売店など1000社以上に食料品を販売している。これまでは主に日系企業向けにコメやしょうゆ、小麦粉などを供給してきた。

一方で三菱商事は2014年にノルウェーのサケ養殖大手、セルマックを買収。DMCではそれまで生鮮品を扱う経験がなかったが、サケなど水産物販売の拡大が新たなミッションとして浮上した。

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