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コロナ下で日本マクドナルドホールディングスが健闘している。宅配やドライブスルーの仕組みが支えとなり2020年1~6月期も営業増益だった。ただコロナの収束時期など先行き不透明感は強い。事業会社である日本マクドナルドの日色保社長兼最高経営責任者(CEO)は就任2年目の試練に「もうノーマルはない」と覚悟して前例のない変化に挑む。

見えない「普通」、声に素早く対応

――新型コロナウイルスの影響で消費者の意識がどのように変わったとみていますか。

「外食に求める優先順位が変わったと思います。食の安全・安心は当たり前ですが、その意識は商品を購入して店舗で食べる、あるいは持ち帰るというプロセス全体まで広がった。そして利便性です。持ち帰り、宅配、ドライブスルー。色々なチャネルを求める傾向が強くなっています」

「一方で、自粛のなかで楽しみを求める動きも増しています。例えば8月初旬に始めたキャンペーン『マックでどこでもハワイ!!』は好調です。ハワイに行けなくても、せめて気分だけでも味わってもらえればと」

――コロナ禍の中でも持ち帰りや宅配が伸びて売り上げは増加傾向ですが客数が減少しています。店内の座れる席を減らすなど感染予防に配慮せざるを得ませんね。

「いかにお客様の声を聞いて臨機応変に対応するかだけを考えてきました。例えば4月には一時、自治体から言われたわけでなく自主的に店内の客席を利用中止にしました。昨日思っていたことが、今日お店の現実をみると間違っていたというようなことが、いっぱい出てきます。現場と緊密に連絡をとって方針を毎日のように修正してきました。ですから最近はニューノーマルではなくノーノーマルだと言っています。ある状態が普通になって、それが固定されることはもうしばらくないでしょう。戦略は静止画でなく動画であり、毎日動いていきます」

――コロナが終息しても、マクドナルドのビジネスもコロナ前とは違ったものになりますか。

「顧客が求める基本的なところは変わらないでしょう。ただし不可逆的な変化もあるでしょう。テレワークが進むとオフィスにどれだけ人が戻るのか。駅やオフィス街、空港の店の売上高は落ち込んでいます。完全に元に戻るのは難しいところがあるでしょう」

「一方でお客様はコロナを機に改めて宅配の便利さに気付きました。ドライブスルーは1970年代からありますが、顧客から便利だという声が寄せられています。こうしたことは元に戻らないことがあるのだろうと思います。スマートフォンのアプリで事前注文・決済した商品を店舗の駐車場で受け取る『パーク&ゴー』のサービスは導入を前倒ししました」

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