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最新の自転車専用レーン走った 駐車車両に邪魔されず

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NIKKEI STYLE

コロナ禍で電車などが敬遠され、自転車人気が加速している。感染症・環境対策で優れるが、安全面では課題も多い。普及が進むシェアサイクルに乗り、最新の自転車専用道路を走った。

東京都文京区の東京ドームの北側を走る都道434号線の一部に、目新しい自転車専用レーンがこの春生まれた。車道の左側(歩道側)にあるレーンは青く塗られ、幅は約1.5メートルと十分な広さがある。ここまでは特に珍しさはない。目新しいのは、そのレーンの内側に駐停車枠があることだ。つまり、左側から(1)歩道(2)自転車レーン(3)駐停車枠(4)車道(2車線)と4つのレーンに分かれているのだ。

初めてシェアサイクルを借りて、最新レーンの走り心地を試した。内側に駐停車枠があるのは300メートル程度だが、その間は自転車レーンを塞(ふさ)いで止まっている車はない。目の前の視界は開け見通しがいい。駐車車両の左側を通る感覚は慣れないが、快適に走れる。強いて言えば、左ハンドルが多い外車の横を通るときにドアが急に開かないか緊張するのと、スピードの速い自転車が後ろを走っていると気を使う。ただ、総じて安全性は高いと思う。

そのまま、交通量の多い白山通りを走ってみた。自転車専用レーンはあるが、一部を除いて内側に駐停車枠はない。停車中のバスや駐車車両が数十メートルおきに自転車レーンを塞ぎ、追い越すたびに右後ろから迫る自動車との接触が気になる。後ろを振り返りながら専用レーンと車道を行き来するのは怖い。自動車側の目線でも、この自転車のジグザグ走行はとても怖い。

都道の最新レーンを自転車でよく通る女性(45)は「歩行者も駐車車両も気にせず走れるので安心感がある。ただ、短すぎるので増やしてほしい」と注文する。

都内を走って改めて気づくのは、自転車の種類と乗り手によって走行スピードがかなり違うことだ。子供を2人乗せたいわゆるママチャリとスポーツサイクルでは、軽トラとフェラーリほど違う。自転車として一緒にくくるのは少し無理があると感じた。

実は、都道434号は歩道も自転車が通行できる。スピードの速い自転車は車道内の専用レーンを、子供を乗せた遅い自転車は注意して歩道を走る、というすみ分けができるのだ。自転車通行空間を整備する都では「限られた道路幅や交通量など地域の事情に応じ、歩行者、自転車、自動車がともに安全で快適に通行できるように整備していく」(建設局)としている。

実は、自転車の通行場所を巡っては「車道か歩道か」という日本特有の問題がある。「交通戦争」と呼ばれた1970年のピーク時の交通事故死者数は現在の5倍の1万6765人。自転車は車両なので車道を走るのが今も原則なのだが、自動車との接触事故を減らすために、標識を掲げるなどして歩道も通行できるように法改正をした。

日本自転車普及協会常務理事の田中栄作さんは「事実上、自転車を歩道に上げたが、2000年以降、歩行者との接触事故が増えて『自転車は車道』の原則論が強まり、車道派と歩道派の混乱が続いている」と指摘する。434号の試みは、この混乱の一つの解決策になりうる。

コロナ禍の世界的な自転車ブームを背景に自転車部品最大手シマノの株価は8月に上場来高値を更新した。日本は人口当たりの保有台数がアジアで最も多いが、安全対策は弱い。自転車文化センター(東京・品川)の学芸員、谷田貝一男さんによると「最先進国のオランダの小学校では実技を含む毎週1時間の自転車の授業がある」という。同センターでは学校や自治体での安全講習に力を入れている。

シェアサイクルは電動アシスト型が多い。上り坂も快適に走れたが、実は電動アシスト車の事故が増えている。交通事故総合分析センターの中西盟事業課長は「高齢者の死亡事故が多く、事前に安全な場所で十分に練習してから乗ってほしい」と注意を促す。

新宿区の自宅から千代田区の本社まで自転車で走った。電車で約1時間かかる通勤時間が25分に縮んだ。燃料もいらず排ガスも出さない。公共交通が弱点となる災害時に自転車は力を発揮する。都道434号のような自動車と歩行者との共存空間が整備されて安全教育が広まれば、自転車の存在は新しい日常でいっそう重みを増すだろう。

◇  ◇  ◇

気ままに走れば旅気分

1948年のイタリア映画「自転車泥棒」は自転車を生活の糧として描く。商売に必要な自転車を盗まれた男。6歳の息子と探し回ったあげく、人の自転車を盗む。そしてあっけなく捕まる。市民の罵声を浴びる父の手を泣きながら握りしめる息子……。

自転車1台が生活を変える。それは今もあるかもしれない。自転車文化センターでは小旅行用の自転車を展示する「ランドナー自転車展」=写真=を9月27日まで開催している。

旅行がしにくい昨今だが、自転車なら旅気分も味わえる。自動車も少ない田舎の道を気ままに走れば、自由だった日常の生活に少し戻れそうだ。

(大久保潤)

[NIKKEIプラス1 2020年9月5日付]

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