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要介護リスク、15の質問で発見 「フレイル健診」開始

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NIKKEI STYLE

今年4月から75歳以上の高齢者を対象に、要介護になる手前の状態かどうかを判断する「フレイル健診」が始まった。15項目の質問票で要介護"予備軍"を見つけ、個別指導や医療機関の受診につなげる。長く健康を保てば、高齢化で膨らむ社会保障費の抑制も期待できる。指導にあたる保健師らの確保などが課題だ。

「車椅子生活の妻を支える自分が要介護者になれば暮らしが立ちゆかなくなってしまう。少しでも早くリスクが見つかるなら、本当にありがたい」。7月30日、大阪府守口市の健康診査会場を訪れた男性(88)は、新しく導入されたフレイルの質問票を手に語った。

フレイルは「虚弱」を表す言葉で、日本老年医学会が2014年に提唱した概念だ。加齢に伴う体重の減少や筋力の低下など身体的な衰えだけでなく、認知症やうつなどの精神的な要素、引きこもりなどの社会的な要素も判断材料とする。

質問票を刷新

従来の健診の質問票は、肥満対策が中心の特定健診(メタボ健診)と同じ内容だったが、厚生労働省が75歳以上の後期高齢者に特化しフレイルの早期発見に重点を置いた内容に刷新し、4月から各地で使われ始めた。介護が必要となる前に生活習慣を見直すことで、長く健康を維持することを期待している。

質問は(1)6カ月間で2~3キログラム以上の体重減少があったか(2)今日が何月何日かわからない時があるか(3)家族や友人との付き合いがあるか――など身体の状態や認知機能、生活習慣に関する15項目となっている。

回答結果は医療や介護履歴などの記録をまとめた「国保データベース」に登録。健診の結果なども活用し、フレイルの恐れがある高齢者を判断する。対象となった高齢者は自治体の保健師らが自宅を訪問し、生活指導や医療機関の受診につなげるのが主な流れだ。

フレイルの恐れがあるかどうかの判断は、自治体ごとに独自基準を定める。フレイルは身体の衰えから社会的な環境まで幅広く健康問題を捉えており、自治体がすべてに対応するのは人材や予算面から難しい。自治体に重視する項目や基準が委ねられている。

大阪府後期高齢者医療広域連合は、健康状態や運動機能などに関する項目で3つ以上のチェックを付けた人を「リスクあり」とみなす独自基準を検討している。地元の医師会との調整後、府内の自治体に参考基準として提示する方針だ。

対象者を自宅訪問する際は、管理栄養士らが摂取すべき栄養素や食品について助言する場合もある。フレイル予防には食生活も重要とされる。厚生労働省は、体格指数(BMI)が18.5未満で、過去6カ月間で2~3キログラム以上の体重減少があれば栄養不足に陥る可能性があるとして、支援の対象に例示している。

フレイル対策が進む自治体では効果も出ている。

神奈川県大和市は栄養不足やそのリスクのある75歳以上の高齢者をアンケートなどで把握し、戸別訪問で食生活を指導する取り組みを16年度から実施している。要介護状態や死亡する人の割合を調べたところ、戸別訪問を受けた人は受けなかった人に比べて18年度は4分の1程度の水準だったという。同市は介護給付費の抑制効果が18年度だけで約7千万円に上ると試算した。

受診率は3割

全国的には後期高齢者向けの健康診査の受診率は現在、3割程度にとどまり、向上策が不可欠だ。厚生労働省は地域の高齢者が集まって交流する「通いの場」などでも質問票を活用し、フレイル対策に役立てたい考えだ。

今年は新型コロナウイルスの影響で、健診を一時休止する自治体も相次いだ。フレイルの質問票を活用した保健指導も当初の想定より遅れている。ニッセイ基礎研究所の三原岳主任研究員は「新型コロナの影響で外出機会が減り、家に引きこもりがちな高齢者が増えている」と指摘。「精神面や社会的孤独に焦点を当てた対策がより重要になる」と話している。

◇  ◇  ◇

健康寿命延ばし医療費抑制

国がフレイル対策を進める背景には高齢者が増える中、介護を必要とせずに生活できる「健康寿命」を延ばし、膨らみ続ける社会保障費を抑える狙いがある。

2017年度の国民医療費は約43兆円。国の推計によると、40年度には最大約78兆円に膨らむ見通しだ。要介護認定者は3月時点で669万人で、この10年で4割ほど増えた。40年度の介護給付費は約26兆円と18年度の2.4倍に膨らむと見積もられている。健康寿命は最新の16年で男性が72.14歳、女性が74.79歳。国は40年までにそれぞれ3年以上延ばす目標を掲げている。

自治体の保健師の確保が課題だ。同省によると、保健師の就業者は18年12月時点で約5万3千人。保健師の国家試験合格者は直近10年間で10万人を超える。保健師として働いていない人材が多いとみられる。

小規模な市町村ほど確保が難しい面もある。国は20年度、保健師らの採用を促すため人件費を補助する制度を創設した。

(上林由宇太、川野耀佑)

[日本経済新聞朝刊2020年8月31日付]

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