NIKKEIプラス1

直後にフライパンでステーキを焼いたが、出力約470ワットの安定状態で一気に焼き上がった。煮物で出力が変動した原因について、ジャクリとIH製造元のパナソニックに問い合わせたがよくわからない。ポタ電とIH、ステンレス鍋での煮物の組み合わせは相性が悪いのか。1時間強で3品を料理し終えて、ポタ電には57%の電力が残った。これなら加減すれば1日3回の調理は可能だろう。

ただしポタ電は充電して使うもの。ジャクリ700の場合、家庭用電源からの電力の入力許容量は100ワット程度なので、満充電には9時間かかった。災害で停電が発生したら、太陽電池によるソーラー充電しか方法はない。

そこで最大100ワットの発電が可能なソーラーパネルを借り、東京の最高気温が36度になった8月半ばの週末、残量ゼロからの充電を試みた。

自宅の庭は狭い。立木と屋根の間に顔を出す太陽を正面にとらえてもパネル出力は60ワットほど。太陽を追い随時方向を変えたがそれ以上無理だった。2日間、延べ13時間充電し、たまった電力は満充電の63%(440ワットアワー)だった。

ポタ電から愛車の電動バイクに電気を移してみた。バイクの充電量表示は半分ほど。走行可能距離は20キロメートル強だろう。被災地の移動手段としてミニバイクは有効だ。

調理に使うか脚に使うか。災害時に自前のエネルギーを持てるのは心強いと感じた。

◇  ◇  ◇

ホンダ販売の製品も

レトロデザインのホンダLiBーAID E500

ホンダがLiB―AID(電力容量377ワットアワー、8万8000円)を発売したのは2017年9月。ホンダパワープロダクツジャパン(埼玉県越谷市)の木下憲司販売企画課長は「停電時の室内で携帯電話やパソコン、テレビの電源に使えるようにすること」と開発の狙いを話す。ホンダはガソリン発電機を作ってきたが、排ガスが出るため室内で使えなかった。

ユーザーの中心は50~60代で、ラジオコントロール模型の充電などに使う。ビルメンテナンス用などの需要もあるという。電力容量の割に値段が高いが、1965年当時のガソリン発電機を模したデザインが人気の一因かもしれない。

(礒哲司)

[NIKKEIプラス1 2020年8月29日付]