ポータブル電源使ってみた 災害に備え、調理3回可能

NIKKEIプラス1

ほぼ2人分の米を炊きポトフを作りステーキを焼いても電力は57%残っていた
ほぼ2人分の米を炊きポトフを作りステーキを焼いても電力は57%残っていた

毎年9月1日は防災の日。大災害が日常的に起きる今の日本で備えは重要だ。最近注目の大容量ポータブル電源が、長期停電にどの程度対応できるのか、食事づくりなどで試してみた。

ポータブル電源(略称、ポタ電)は、スマートフォンの外付け電源から発展した新しい装置だ。取っ手のついた箱形で大容量のリチウムイオン電池を内蔵し、屋外で100ボルトの家庭用交流電源や12ボルト直流電源、USB端子用の5ボルト直流電源を供給できるのが特徴だ。縁日の屋台などでおなじみのガソリン汎用発電機に取って代わる勢いだ。

記者が買ったのは「Jackery(ジャクリ)700」(幅約30センチメートル×高さ約19センチメートル×奥行き約19センチメートル、重さ6.3キログラム)で、定価7万9800円。アマゾンのタイムセールで6万7830円で手に入れた。ほかにもAnker(アンカー)などのブランドが知られており、汎用発電機の歴史が長いホンダもLiB―AID(リベイド)で参入している。

ジャクリ700の容量は704.6ワットアワーある。家庭用コンセントに相当する100ボルトでの出力は500ワットであるため、消費電力350ワットの家電製品が2時間ほど使える。テレビなども対応可能で、説明書には32インチ液晶テレビが9時間連続使用できるとある。記事を書くパソコンは現在26ワット使用なので1日以上使える計算だ。

Jackery Japanマーケティング部の平松孝太さんは「30~40代の男性がアウトドア用にネットで購入する例が多かったが、昨年秋の大雨後は防災用の販売数が急上昇した。防災安全協会の推奨も受けた」と話す。

使い勝手はどうなのか? 電力インフラの喪失を想定してポタ電を屋外に持ち出し、1.4合(約250ミリリットル)炊き小型炊飯器や家庭用IH調理器につないでみた。

午後4時すぎに炊飯器のスイッチを入れると、ポタ電の出力表示237ワットで安定した炊飯が始まり15分で湯気が立った。ポタ電の残量表示が88%になった4時20分にスイッチが切れ、蒸らしに入った。

次に小型IH調理器に、IH対応のステンレス鍋を載せ、ポトフを作り始めた。小型IHでも使用電力は最大1400ワットなので、ポタ電の瞬間出力を大きく超える。試しに出力を「強」にすると、一瞬作動した後に安全機能が働き、ポタ電の出力がゼロになった。「弱」で調理する。

すると不思議な現象が起きた。ポタ電の出力表示が216ワット→145ワット→453ワット→9ワット→129ワット→488ワット→7ワットとめまぐるしく変わり始めたのだ。ポトフはゆっくり温まり、30分以上かかってようやく出来上がった。

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