エコバッグ清潔に保つ方法 3回使ったら洗うのが目安
レジ袋の有料化で買い物に欠かせなくなったエコバッグ。食材を入れたあとに野菜くずなどのゴミが残ったり、水滴がこぼれたりする。どんな手入れをするといいのだろう。
食材を入れるエコバッグは汚れやすい。肉や魚、総菜から汁がこぼれることがあるほか、野菜のくずや土が落ちる。雨にぬれたり、冷凍食品などの水分で湿ったりしたままでは、菌が繁殖しやすい。放っておくと、においやカビの原因になる。
防水スプレーやポリ袋を使って
家事代行サービスのベアーズ(東京・中央)副社長で家事研究家の高橋ゆきさんは、普段の手入れとしてまず、エコバッグの外側についたほこりなどを払い落とすことをすすめる。次に裏返して土やくずを払い、古い歯ブラシで両面を軽くブラッシングする。「汚れがたまりやすい底や縫い目もブラシをかける」(高橋さん)。こうすると、清潔に保ちやすい。
あらかじめ汚れないように対処しておくことも大事だ。衣類用の防水スプレーをしておくと、汚れやシミがつきにくくなる。肉や魚、総菜などは薄いポリ袋に入れる。野菜も根元をポリ袋に入れてからエコバッグにしまう。
汚れてしまったら、洗濯などが必要だ。花王の生活者研究センター、福地奈津子さんによると「これまでエコバッグを洗うという発想はあまりなかった」。だが、きちんと洗って清潔に保てれば、繰り返し使うことができる。
最初に、洗える素材かどうか確かめる必要がある。洋服と違い、エコバッグには洗濯の取り扱い表示の義務がない。表示のないものは購入時の取り扱い説明を見るか、買った店などに聞いてみる。福地さんは「ナイロンや布など単一素材であれば、洗える例が多い。異なる素材を組み合わせた保冷バッグのようなものは洗えないことが一般的」と説明する。
裏返しネットに 麻や綿は手洗い
洗濯機で洗うときは、裏返して洗濯ネットに入れよう。汚れやシミがある場合、事前に洗剤の原液を指などでなじませておくといい。洗い終わったら、全体を振りさばく。両手ではさむように軽くたたき、シワを伸ばす。そうして形を整え、中に空気が通るように干す。
持ち手にゴムが入っているタイプは、持ち手を上にする。下にすると乾きにくく、ゴムが劣化する原因になるので気を付けよう。
麻や綿などは洗濯機だとシワになりやすい。気になる人は手洗いする。その場合、洗面ボウルなどに温度が30度以下の水をはり、洗剤を入れる。裏返したエコバッグを沈めたり、浮かせたりする作業を20~30回程度繰り返す。きれいな水ですすぎ、シワにならないよう洗濯機の脱水は1分以内にとどめて干そう。
汚れた部分だけ手洗いするのも一案だ。匂いやシミが気になるなら、「酸素系漂白剤も入れるといい」(福地さん)。
一方、洗えないエコバッグもある。そうしたものは除菌シートや除菌スプレーを吹き付けた布で全体を拭こう。汚れが取れないならば、少量の洗剤を付けた別の布を用意し、汚れている部分をたたくようにして移し取るとよい。
エコバッグを使いやすくする工夫も考えてみたい。高橋さんは洗って切った紙パックを活用している。底に敷くとマチがなくても安定して食材を詰められ、汁もこぼれにくくなる。倒れやすい葉物野菜やパスタなどを紙パックで囲い、縦に入れるとたくさん入り、安定感もある。
うまく詰める工夫もしよう。重くて固いものから入れ、壊れやすいお菓子や形を崩したくない食材、軽いものはなるべく上に入れていく。
また、高橋さんはエコバッグを複数持ち歩くという。スーパーへ行くときは「底にマチのあるLサイズ1枚と、コンパクトに折り畳めるナイロン製2枚の計3枚を持参する」。冷たい食材用、卵や食パンなど潰れやすいもの用などと分けて運ぶためだ。
複数を使い分けることは「手入れをするタイミングの習慣化に役立つ」と説明する。主に週末に使うエコバッグは平日に、平日に持ち歩くものは週末にまとめて洗う、といった具合だ。洗える素材のものは「3回使ったら洗うのが目安」(高橋さん)。
最近では機能や柄、形もさまざまなエコバッグが登場している。お気に入りを選び、きちんとした手入れをして長持ちさせたい。
(ライター 児玉 奈保美)
[NIKKEIプラス1 2020年8月22日付]
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