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中国・重慶で日本の食と融合 火鍋すし、一貫120円

日経MJ

独自のネタと割安さで若者に人気だ
独自のネタと割安さで若者に人気だ

中国内陸部の重慶市。現地を代表する料理で日本にも人気が広がっている火鍋と、日本のすしが融合した「火鍋すし」が話題となっている。火鍋の具材をネタにしたすしで、既成概念にとらわれない20代の若者に人気を集めている。

「脳花は濃厚なうまみがシャリにとろけて、とてもおいしい」。市中心部の大型ショッピングセンター、南坪万達広場の一角にある「戯作寿司」。毎週のように通う会社員の陳樺さん(18)は火鍋すしの魅力を笑顔で説明する。

「脳花」は豚の脳ミソで、重慶の火鍋には欠かせない代表的な具材だ。戯作寿司では蒸した後に一口大にカット。ノリでシャリと一体化させてからピリッとした特製ソース、刻んだネギ、黒コショウをたっぷりかけて提供する。

一貫の価格は8元(約120円)。中国の人気グルメサイトでも脳花すしは「しつこくなくて絶品だ」や「重慶で必ず食べるべき一品」とする書き込みが相次ぐ。脳花に天ぷら粉をまぶして油で揚げて表面をパリッとさせた「酥皮脳花すし」も人気がある。

戯作寿司は、数万人規模の日本人が駐在し、多くの日本料理店がしのぎを削る上海市のすし屋で修行した周栄兵さん(25)が、友人らと1年余り前に開業した。重慶の消費者に親しんでもらうために「重慶で人気の高い火鍋の具材をネタにすることを思いついた」と振り返る。

脳花のほか「毛肚」と呼ばれる牛の胃袋や、アヒルの腸を刻んでラー油やゴマ、刻みネギなどで味付けした軍艦巻き、「肥腸」と呼ばれる豚の大腸を天ぷら粉をまぶして揚げたすしなどの独自メニューを次々と生み出した。サーモンやウナギなど中国で人気のネタもそなえ、1日約500貫を提供する。

1人当たりの平均単価は約70元。現地の多くのすし屋よりも割安で、20代の若者の多くが飛びついた。すでに重慶市内で3店舗まで増やし「現地のお客様の口に合うすしを増やして、店舗網を拡大したい」(周さん)。日本発のすし文化が重慶の食文化と融合して、独自の発展を遂げていきそうだ。

(重慶=多部田俊輔)

[日経MJ 2020年8月16日付]

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