在宅勤務の対応で選ばれる会社に コロナで変わる常識味の素 西井孝明社長

――コロナの影響で所得が少なくなったり雇用が不安定になったりすると、消費者の価格志向が強まりそうです。価格面で対応を考えますか。

「そこにはあまり突っ込んでいきたくないと思っています。外食やアパレルが厳しいのは世界的な傾向です。ただ縮小均衡ばかりではなく、都会よりも地方が元気になったり、オンライン化で女性が働きやすくなったりといった流れもある」

「これまで日本の働き方は生産性が低いと言われてきたが、コロナをきっかけに出張など移動をしなくても、仕事ができると分かってきた。アフターコロナのあるべき、低コストの運営がみえてきます。そうしたことができる企業は、人を切らずに雇用の受け皿になれるでしょう」

厳しい時代に自然淘汰進む

――そうすれば働き手から選ばれる企業になれると。

「その通りです。それが問われています」

――生産性が低い要因として、日本ほど新商品が大量に市場に投入するされる国はないと言われます。コロナを契機にこれが変わりますか。

「同じ分野に多くの企業が突っ込んでいくからそうなるのでしょう。この状況が変わるにはおそらく企業が淘汰されないと難しいです」

――メーカーも小売業もということですか。

「そうですね。長い苦しい時代のなかで自然淘汰が起きるでしょう。厳しいことですが」

(聞き手は日経MJ編集長 鈴木哲也)

西井孝明
1982年同志社大文卒、味の素入社、2004年味の素冷凍食品取締役、09年味の素人事部長、11年執行役員、13年ブラジル味の素社長、取締役常務執行役員を経て、15年6月から現職。奈良県出身、60歳。「孤独のグルメ」に登場した飲食店を全店制覇するのが目標。
■新中期計画、効率的に稼ぐ
19年度までの中期経営計画で味の素は、利益水準などを対象に「食品企業で世界トップ10入り」を掲げたが、新中計では資産効率の高さを示すROIC(投下資本利益率)を目標として掲げた。規模を追うのではなく、ヘルスケアなど重点分野への資産絞り込みと稼ぐ力の向上をより鮮明に打ち出した。
新中計では22年までの3年間を構造改革の期間と位置づけ、非重点事業を縮小する。3%のROICを業界水準の8%まで引き上げ、重点事業の売上高比率を66.5%から70%とする考えだ。味の素の営業利益に占めるアジア比率は4割に及ぶ。成長が鈍るなか、「健康」を軸にアジアの豊かな層の取り込みに力を入れる。(逸見純也)

[日経MJ2020年8月10日付]

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