豚しゃぶ・サバ缶… そうめんのマンネリ避ける一工夫
管理栄養士 今泉マユ子
さっと作れる手軽さにのどごしのよさもあり、夏の暑い時期に大活躍のそうめん。手延べといった製法から原料にする小麦粉まで産地によって異なり、その味の違いが楽しめる。調理にそれほど時間がかからないので、時短家事にはもってこいだ。
そうめんをおいしく食べるのに大切なのはやはりゆで方。大きめの鍋で沸かしたたっぷりのお湯に麺を入れていこう。強火で再び沸騰させ、ふきこぼれに注意しながら火加減を調整する。
ゆでる時間は麺の太さなどで多少前後するため表示を確認してほしいが、一般的には2分程度。細い麺なら少し短めに1分~1分30秒前後を目安にしたい。ゆであがったらざるに移し水でしっかり洗えばできあがり。水を流しながらもみ洗いするのもいい。やわらかくゆでれば離乳食にも使える。
体調不良や食欲がない日でも食べやすいそうめん。具だくさんにすると、体調を整えるビタミンやミネラルといった栄養素も補えるので、夏バテ防止に役立てられそう。例えば豚肉。そうめんの糖質をエネルギーに変えて疲労回復の助けになるビタミンB1を多く含んでおり、今回も豚肉を使ったレシピを考えてみた。ビタミンB1は大豆、ウナギ、シラス、ゴマ、クルミ、キノコにも多い。夏の紫外線によるシミが気になる場合はビタミンCの多いゴーヤーやブロッコリーなどを一緒に料理したり、添えたりしてもいい。
簡単にできるそうめんのよさを生かすなら、手間のかからない食材を使うのも手だ。カツオのたたきや温泉卵、竹輪、かまぼこ、納豆をそのままのせたり、ツナやサバ、焼き鳥、コンビーフの缶詰を汁ごと使ったり。カットした野菜やキムチ、薬味で栄養バランスもよくなる。私のおすすめは汁ごとのサバ水煮缶に納豆、キムチ、青ネギを混ぜてそうめんとあえ、温泉卵をからめて食べる一皿だ。
毎日そうめんが続いてマンネリという場合は市販のめんつゆにひと手間加え、味を変えてみよう。練りごまと砂糖を入れて混ぜれば麺にしっかりからむごまだれつゆができあがりだ。ラー油やたっぷりの白髪ネギと合わせれば食欲も進むピリ辛中華だれに。豆乳や牛乳にめんつゆを入れればまろやかな味わいがくせになる。自分好みのトッピングやつゆを考えてみるのも楽しいのでは。
「暑くてゆでるのは大変」という人もいるはず。時にはスーパーでみかけるような水でほぐすだけで食べられる麺を使うのもいいかも。活用してみてほしい。
1969年生まれ。管理栄養士として企業の社員食堂、病院や保育園に勤務。缶詰やレトルト食品を使った時短レシピのアレンジのほか、防災食アドバイザーとしても活躍。
[日本経済新聞夕刊2020年8月11日付]
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