若き日は高根の花 オーディオの中古をネットで落札

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ヤフオク!は分野別の取引実績を公表していない。ただ、2013年創刊の中古オーディオ専門誌「ステレオ時代」(ネコ・パブリッシング)編集長の沢村信さんは「読者の多くはヤフオク!かリサイクル店を利用して手ごろな70~90年代製の国産ブランドの中古を買っている。結婚や子育てでオーディオ趣味から離れていた60歳前後の男性が再び始めている」と話す。

往年の「サンスイ」など人気製品が並ぶ店頭(東京都武蔵野市のハードオフオーディオサロン吉祥寺店)=山田 麻那美撮影

次にシニアの注目を集めるリサイクル店「ハードオフオーディオサロン吉祥寺店」(東京都武蔵野市)をのぞいた。ハードオフコーポレーションが18年に出したオーディオ専門店の2号店で、330平方メートルの売り場に70~90年代を中心に海外製品も含めて約1200点がそろう。

発売時の半値以下が多く、一式10万円程度からそろう初心者コーナーが売り物。リサイクル系では珍しい修理部門を備え、往年の「サンスイ」のアンプや、国内で事実上消滅した「ナカミチ」のカセットデッキは人気が高く、「サンスイの発売時約10万円のアンプは5万~9万円台で入荷するとすぐ売れる」(店長の宮沢康久さん)。

同店でスピーカーなどを購入した男性(61)は「定年を迎えて趣味を持とうとハードオフで買い始めた」と話す。

「オーディオドリッパー」は整備済みの輸入ブランド品が充実(甲府市)

余裕のあるシニアには70~80年代の中古輸入オーディオも人気だ。甲府市など3カ所に販売拠点を持つ専門店「オーディオドリッパー」では、高級ブランドの代名詞だった100万円を超える米「マークレビンソン」などの中古品を現物を見ずに通販で買う人が3月以降9割もいる。

世の中お金で買えないものはたくさんあるが、買い戻せる夢もあるようだ。

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始めるコツ「詳しい人に師事」

「ステレオ時代」編集長の沢村信さんに中古オーディオを始める際のコツを聞くと、「詳しい人に師事するのが早道」。ネットを通じて具体的な機種名で情報交換している人たちを探すといいそうだ。テクニカルブレーン本社併設の喫茶店や視聴室では愛好家が情報交換している=写真。リサイクル店で買う場合は、期間中、原状回復できないトラブルがあった場合に返金する保証があるところがお薦めという。

古い製品でも修理・整備に対応する業者が増えている。「サンスイ」出身者がいるアクアオーディオラボ(埼玉県入間市)や「ナカミチ」製品専門のナカミチサービスセンター(茨城県つくばみらい市)など特定ブランドに強いところもある。

(堀聡)

[NIKKEIプラス1 2020年8月1日付]

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