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手探りの中、変わる興行 感染症対策が重い負担に

演劇再始動(上)

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NIKKEI STYLE

新型コロナウイルスの影響で休止していた日本の演劇公演が再開し始めた。主催者は観客数を減らすなどの対策をとりながら、新たな興行や表現を探っている。実態をリポートする。

「ほっとしました。当たり前のことができるうれしさに、通し稽古では涙が出た」。こまつ座の井上麻矢社長は感慨を語る。

父である作家、井上ひさしの人気作「人間合格」の東京公演が6日に始まり、約4カ月ぶりに公演を再開させた。ほとんど毎月のように全国どこかで上演があるほど日本人に親しまれる井上作品が、劇場に戻ってきた。ただし観客は、満席時の半分ほどしかいない。感染症対策で観客数を減らしているからだ。

欧米よりも早く

2月26日、安倍晋三首相の「イベント自粛要請」から活動休止が始まった日本の演劇界。再始動はまず6月に、1人か2人による舞台や動画配信で始まった。7月に入り、500席以上の劇場での演劇やミュージカルの開幕が続いている。

劇団四季は14日に「ライオンキング」「マンマ・ミーア!」の公演を東京と横浜市で再開し、15日にはさらに東名阪で4つの公演をスタートさせる。宝塚歌劇は本拠地の宝塚大劇場(兵庫県宝塚市)が17日、東京宝塚劇場は31日に再開予定。大規模なミュージカル公演で知られる帝国劇場(東京・千代田)も18日に開く。今秋または年末まで閉鎖が続くといわれるニューヨークやロンドンの劇場街よりも早い「再生」といえる。

しかし一方で、感染症対策の負担が主催者にのしかかる。会場の換気や消毒、観客の検温もあるが、最大の悩みは、観客数の減少による減収だろう。

感染症対策で演劇界がまず参考にするのは、5月中旬に国公立劇場などで構成する全国公立文化施設協会が公表した「劇場、音楽堂等における新型コロナウイルス感染拡大予防ガイドライン」。ここでは、すべての順守が必須ではないとしながらも「前後左右を空けた席配置」や、出演者間で十分な間隔をとることなどを求めている。これに従うと、観客は満席時の50%ほどになり、俳優同士が舞台で近づくこともできない。

ミュージカルや歌舞伎などの大規模公演や、国公立の施設は現時点では、おおよそこのガイドラインに沿って観客数を減らす方向だ。さらに念を入れ、新国立劇場(同・渋谷)の「願いがかなうぐつぐつカクテル」(26日まで)では、出演者がそれぞれの役柄を表すマスク状のものを着用する。シアタートラム(同・世田谷)の「殺意 ストリップショウ」(26日まで)は一人芝居で、俳優同士の接近がない。24日に始まる東京芸術劇場(同・豊島)の「赤鬼」(野田秀樹作、演出)も客席数を通常の半分以下にする方向だ。

ただ、50%の入場率では「興行として成立しない」と、演劇関係者は口をそろえる。ただでさえ、密集を避けるために広い稽古場を借りる、消毒や検温の設備といったコスト増が主催者にかかっている。

ルール固定せず

そんな問題意識もあって、小劇場のザ・スズナリ(同・世田谷)で始まった燐光群(りんこうぐん)の公演「天神さまのほそみち」(19日まで)ではあえて、日々の観客数を「はっきりとは決めない」と演出の坂手洋二はいう。「観客数は満員時の半分」というルールが固定化されると「演劇だけでなくライブハウスや映画館などの活動も苦しくなる」からだ。ただし、換気や消毒、密集を避ける対策などは丁寧に行っているという。

主催者や劇場の対策は手探りで、細部では異なる判断をしているのが実情だ。自治体によっても考え方は違い、7月に旅公演に出る劇団は各劇場と個別に対策などを打ち合わせる。

こうした試行錯誤の中で新しい興行や演出が生まれる可能性はある。歌舞伎座(同・中央)は、約5カ月ぶりの再開となる8月公演で同劇場初の「4部制」をとる。昼の部と夜の部の2部制を長く続けてきたが、清掃や消毒の回数を増やす必要などから、観客を頻繁に入れ替えることにした。

歌舞伎興行を担う松竹の安孫子正副社長は近年、たびたび「新しい興行形態を考える」と発言してきたが、コロナ禍を機にそれが一気に進んだことになる。しかし、それだけで観客減による減収という課題を解決できるわけではない。

[日本経済新聞夕刊2020年7月13日付]

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