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「3密」避け公演再開の動き 安全と音楽の両立を模索

「ウィズコロナ」のクラシック(上)

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NIKKEI STYLE

新型コロナウイルスの影響で休止していたクラシック音楽の公演が徐々に再開し始めた。「3密」の回避と演奏の質の両立、客席数の減少に伴う採算難といった難題が待ち構える。

舞台の景色が大きく変わった。隣り合わせだったオーケストラの奏者が横80センチ以上、前後1.5メートル以上空けて座る。管楽器奏者の近くには飛沫を防ぐアクリル板。東京フィルハーモニー交響楽団コンサートマスターの依田真宣は「リハーサルから普段以上にアイコンタクトを取ったり、動きを大きくしたりした」と語る。楽団員の意識も以前とは違ったようだ。

政府が示す屋内イベントの上限目安が100人から1000人に緩和された2日後の21日。東フィルはオーチャードホール(東京・渋谷)で、4カ月ぶりに定期公演を開いた。感染対策を徹底し、演奏は2曲のみで、通常は約2時間のところを1時間に短縮。客席数約2000に対し、入場者は約600人に絞った。

経済の正常化へとかじを切る国や自治体はイベントの制限緩和を進めるが、現場ではかつてない試行錯誤が続く。ソーシャル・ディスタンス(社会的距離)の確保と質の高い演奏を両立するのは容易ではない。

東京都交響楽団は11、12日、感染症や飛沫対策の専門家を交え、検証実験をした。奏者間を2メートルから徐々に詰め、最後は1メートル弱で演奏。専門家からは「飛沫はさほど出ていない」などの意見が出たが、海外では弦楽器で1.5メートル、管楽器で2メートル離すべきだとする検証結果もある。対策は緒に就いたばかりといえる。

大編成や合唱困難

当面は演目も制限されそうだ。一般的にオケの公演のメインとなる交響曲は、モーツァルトやベートーベンといった古典派なら比較的小編成で演奏できる。だが、ロマン派以降のマーラーやブルックナーになると巨大な編成となり、距離をとれば楽団員が舞台に乗り切らない。東京フィルレジデント・コンダクターの渡辺一正は「いつまでもベートーベンやモーツァルト、ハイドンを演奏するわけにもいかない。様子を見ながらレパートリーを広げなければ」と頭を悩ませる。

特に難しいのは、オペラなど合唱が入る演目だ。オランダ・アムステルダムでは合唱団で集団感染が発生し、死者が出た。日本国内でも集団感染が発生し、リスクが高いとされる。年末の風物詩「第九」も慎重にならざるを得ない。

一方、都響の音楽監督を務める大野和士は、現代音楽の大家シェーンベルクらを挙げ「小編成でも演奏効果のある曲があるし、金管楽器だけの曲をやってみてもいいかもしれない」と指摘する。制約の中で、質の高い演奏をどう届けるか、アイデアが問われる。

採算面でも課題

公演が再開してもオケの運営は厳しい。感染予防のため客席をいっぱいにできず、収益が期待できないからだ。政府の屋内イベントに関する目安は収容率50%以内。緩和される可能性はあるが、日本クラシック音楽事業協会会長の入山功一は「政府が設定した目安は破れない」と話す。

以前から、オケやホールが主催する自主公演は満席でも大きな利益が出る構造ではなかった。18日に自主公演を再開した東京芸術劇場(同・豊島)の担当者は「公共劇場としてできる公演は開催すべきだが、採算面から中止せざるを得ない場合があるかもしれない」と明かす。「公演しない方が赤字額を抑えられる」ともらす関係者もいる。

収容300人のハクジュホール(同・渋谷)は11日に50人限定の公演を開いた。出演したチェロ奏者の加藤文枝は「採算のためにチケット代が高くなれば、どれだけの人が聴きに来てくれるか不安。音楽家も工夫が必要になる」と話す。それでも今は、公演実績を積み上げ「不要不急」とされた音楽の価値を再認識してもらうしかない。

[日本経済新聞夕刊2020年6月29日付]

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