保護者側の負担も大きい。付き添い宿泊できる人物を一人に限定する施設が多く、家事などで家に帰宅したり、外食したりすることも制限するケースがある。交代や休息ができないまま付き添いを続ける保護者もおり、疲弊が深刻だ。

付き添いの保護者に院内から「出前」

長崎大病院では付き添いの保護者向けに院内食堂からの「出前」を可能にした。「以前から付き添い者の食事確保は課題だった。流行が終息しても、何らかの形で出前を継続することを検討している」という。

入院する小児患者の交流のため、テレビ会議システムの準備をする医療スタッフ=聖路加国際病院提供

聖路加国際病院(東京・中央)は面会などの制限を最小限にとどめている。成人患者の面会は全面的に禁止し、着替えも宅配で届ける徹底ぶりだが、小児病棟では、面会を一部認め、付き添いも中止しなかった。小沢美和・こども医療支援室長は「ウイルス持ち込みを防ぎつつ、どうすれば面会などを続けられるか常に議論した」と明かす。

入院する子どもには、外出できない代わりに廊下を散歩してもらっている。廊下に貼った動物の絵などのシールを探す遊びも始めた。テレビ会議で入院する子ども同士が交流したり、音楽療法士が曲を演奏したりする取り組みもある。

それでも、できる遊びは大幅に減った。小沢室長は「注射や点滴などを受ける子どもに『治療頑張ったら、遊ぼうね』などと声かけすることも難しい。治療に集中できない子も増えた」と影響を指摘する。

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面会制限の解除時期、8割超が未定

日本経済新聞の調査では、小児病棟で面会や付き添いなどの制限を解除する時期や条件も尋ねた。解除時期は「未定」が73施設(86.9%)と大半を占め、「6月中」は3施設(3.6%)にとどまった。

解除の条件を複数回答で尋ねたところ、「地域の感染が終息」が32施設(38.1%)、「緊急事態宣言の解除」が16施設(19.0%)と多かった。PCR検査や抗原検査などで面会者や付き添い者の感染状況を把握することを条件として選んだのは9施設(10.7%)だった。

国立成育医療研究センターの田中恭子部長は「治療薬やワクチンが開発されるまで、当面こうした状況が続くことも想定すべきだ。親子分離で治療を頑張れなくなる子が出ないよう、子どもに安心感を与え、家族とのつながりを保つ取り組みを、各病院が工夫する必要がある」と話している。

(倉辺洋介)

[日本経済新聞朝刊2020年6月22日付]

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