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「明治屋」創業横浜で改装 こだわりのコーヒー紅茶を

日経MJ

内装には昔の横浜本店を思わせる赤レンガを使った
内装には昔の横浜本店を思わせる赤レンガを使った

高級スーパーの明治屋が5月に高島屋横浜店地下1階の食料品売り場に「明治屋横浜西口ストアー」を改装開店した。明治屋創業の地である横浜にある店舗で、内装や品ぞろえなど随所に「横浜らしさ」を意識した店作りとなっている。明治屋として初めて紅茶やコーヒーを有料試飲できるコーナーも設置し、固定ファンの取り込みを狙う。

明治屋の創業は1885年(明治18年)。横浜万代町で創業者の磯野計が船舶への食品や雑貨の納入業を始めたことに由来する。その後に輸入商品を大衆に販売する店舗が生まれ、小売りが中核事業に育っていく。今でこそ本社は東京都中央区の京橋にあるが、横浜はいまだ「明治屋が生まれ育った特別な場所」(磯野太市郎常務取締役)としての位置づけだ。

歴史を知る客も多く「昔からの固定ファンも多い地域」(同)。改装にあたっては歴史と横浜ならではの店作りを意識した。内装には昔の横浜本店を思わせる赤レンガを採用し、横浜にあった洋館社屋の写真などを飾っている。

レイアウトや品ぞろえも大きく変更した。売り場面積は改装前の約1.5倍に広がったが、商品点数は約2700点で改装前の1割強の増加にとどめた。明治屋の来店客には「店内を見てまわって新しい商品や珍しい商品との出会いを楽しむ方が多い」(同)ことから、増えたスペースを通路の拡張に割いてゆったりと買い物できるようにした。

品ぞろえでは近年の消費者の生活スタイルの変化を反映している。調理済みの食品を持ち帰って食べる中食需要の伸びに対応し、レンジなどで温めればすぐに食べられる冷凍食品の売り場を新設。鯛飯や寄せ鍋など料亭とコラボしたオリジナル商品のほか、横浜で人気の中華料理、管理栄養士が監修した健康配慮型の商品など幅広い需要を意識した。

明治屋にとって新たな取り組みとなるのが「Tea & Coffee Cellar」(ティーアンドコーヒーセラー)だ。紅茶は1杯100円から、コーヒーは横浜発祥の三本珈琲のコーヒーを同200円から試飲できる。

紅茶やコーヒーは嗜好品としての性格が強く、香りや味わいなど種類も豊富だ。明治屋で販売する紅茶やコーヒーの単価は2000~3000円台が多く、購入に二の足を踏む客も多かったという。手軽に試せることで販売拡大につながるとみている。

店内にはスタンディングの試飲スペースも設けた。試飲できる紅茶は季節やトレンドに合わせて変更予定で、定期的な来店動機となる効果も見込む。近隣にはオフィスも多く、ビジネスマンが立ち寄るきっかけにもしたい考えだ。

新型コロナの感染拡大で集客につながる広告を控えていることもあり「まだティーアンドコーヒーセラーの認知度は低い」(磯野常務取締役)。レジ前の店頭販促(POP)などで取り組みをアピールし、固定ファンの取り込みを狙う。

(伊神賢人)

[日経MJ 2020年6月17日付]

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