長いこと髪を切っていない人も多いのでは。記者もその一人。とはいえ、自己流で切るのはリスクも大きい。美容師さんにコツを聞きながら、4カ月ぶりに自分でカットしてみた。
用意するのは、髪を切る専用のはさみとくし、ダックカールと呼ばれる髪を留めるピン、そして、マントのような散髪用ケープ。ネット通販などで買える。新聞紙を敷いた風呂場で挑戦した。
まず、美容師さんは「乾いた状態で切ること」と、口をそろえてアドバイスする。ぬれた髪は水分の重さで下がり、はさみも入りやすい。乾くと想像以上に短くなる失敗につながりやすいからだ。
マスクが手放せない昨今。「顔の半分が隠れるため、前髪がより重要になっている」。資生堂トップヘアメイクアップアーティストの神宮司芳子さんにこう聞き、前髪からトライすることにした。
ポイントの一つ目は、はさみの入れ方だ。「斜めか、縦にいれる」と神宮司さん。仕上がりがイメージしやすいため、横に入れたくなってしまうが「一気に短くなってしまう」ので注意が必要だ。
前髪を左手で挟むように持つ。このとき髪をおでこの真ん中に集めてはさみを入れると、仕上がりは目尻のほうにいくにしたがって長くなるため、自然な印象になる。少し切るごとに、くしでとかしてチェック、を繰り返す。
気をつけるのは左手だ。力が入りがちだが「引っ張りすぎず軽く挟む」。洗面台などでは、ついつい前方に持ち上げたくなるが、おでこから浮かせすぎないことも重要だ。
記者はこの4カ月で2回、自分で前髪を切っていた。髪を手で持たずにはさみを横に入れ、いちかばちかだったが、教わった通りにやってみると、力むことなく、違和感のない「いい感じ」になった。
男性ではどんな悩みが多いのか。東京・渋谷の美容室「スイ 表参道」の店長、坂口勝俊さんによると「伸びてくると耳周りがもたつく」。対処するには「すきばさみで量を減らすのがいい」という。
ポイントはここでも少しずつ。「一気にではなく、指で毛束をつまめるくらいの少量ずつはさみをいれる」。回数も、一束に対して、多くて2回まで。根元ではなく、毛先のほうに、場所をずらして入れるのがいいそう。
すきばさみは、はさみによって一回にすく分量が異なる。自分のはさみの特徴を把握することが大事だ。