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福井栄治氏の座右の書・愛読書

福井栄治氏の座右の書・愛読書

大阪府立大を卒業し、日商岩井(現双日)に入社した。
ふくい・えいじ 1987年大阪府立大経済卒。商社時代にオーガニック食品の輸入を手がけた。現職のほか、日本フードツーリズム協会理事長も務める。

ふくい・えいじ 1987年大阪府立大経済卒。商社時代にオーガニック食品の輸入を手がけた。現職のほか、日本フードツーリズム協会理事長も務める。

自分の人生の中で本当に読書が身近なものになったのは、大学時代です。高校のころに武者小路実篤の『友情』などの文芸書を読んでみましたが、どうも心に響きませんでした。読書にはまったのは大学で就職活動を始めたころ、城山三郎の『毎日が日曜日』を読んだことがきっかけです。

社会人生活には希望と不安のどちらもありました。そこで読んでみたのがこの本です。描かれているのは、あまりハッピーでない商社マン。「これが大人の世界なのか」と感じました。ただ今からふり返ると、サラリーマンとして悲哀を味わった人にも充実した人生はあると思っています。

その後、経済小説を数百冊は読みました。人の人生について深く知ることができるのは、家族や友人を含めてせいぜい5~6人です。でも本はいくつもの人生を自分で歩むような疑似体験をさせてくれる。『毎日が日曜日』でその楽しさを知りました。

農産物をインターネットで販売するオイシックス(現オイシックス・ラ・大地)の立ち上げに2000年に参画。01年に日商岩井を退社し、日本野菜ソムリエ協会を設立した。

オイシックスが発足する少し前くらいに折口雅博氏の『起業の条件』を読みました。折口氏は日商岩井のときの先輩で、1990年代初めにディスコの「ジュリアナ東京」を企画し、起業して脚光を浴びた人です。身近な人ということもあり、この本からとても大きな影響を受けました。

夢と構想力が必要といったことが書いてあるのですが、最初に読んだときの感想は「当たり前だよね」くらいでした。ところが自分も起業し、日本野菜ソムリエ協会を立ち上げてから読み直すと感想が変わりました。

10億円の会社にすることは簡単ではない。でも起業したときの志を持ち続けるのはもっと難しい。そんな内容です。当初は会社の生き残りのために集中しますが、そのうち会社員のときより自由に使えるお金が増え、暮らしも満たされてくる。それでもハングリー精神を持ち続け、社会に問いかけ続けるのは難しいことなんです。

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