在宅で熱中、精巧ペーパークラフト 無料図面も充実

NIKKEIプラス1

助言を思い起こす。事前に折り筋を付ける。紙の上に接着剤を出しておき、のりしろにはようじや紙の切れ端で慎重に塗る。貼り合わせた後は指で押さえて整形し、細かい部分はピンセットを使う。柴犬を作り終えるころには慣れてきた。紙宇宙提供のコーギーなど3種の犬にも挑戦。平らな図面を見たときは「なぜこんな形?」と思ったが、組み上がると愛らしい表情に。癒やされる。

記者もつくってみたが、時間があっという間に過ぎる=筆者撮影

次は観光列車企画でも取材した鉄道会社のサイトへ。JR西日本では懐かしの寝台列車トワイライトエクスプレスから人気のドクターイエロー、鉄橋、駅もダウンロード。近畿日本鉄道は今年3月に走り始めたばかりの特急「ひのとり」、JR九州は感染拡大を受けた「その日まで、ともにがんばろう」プロジェクトの一環で九州新幹線の新800系を公開していた。

ファンとしてはずらっと並べてみたい。丸みを帯びた車両の先頭部分や機関車は細かくて手が震える。家族に半ばあきれられながらも時間を忘れて向き合う。数日がかりで完成させると、今にも走り出しそうに見えてきた。

最近は自分好みの形を3Dで描き、図面にできるソフトもあるそうだ。1枚の紙から広がる世界は果てしない。

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展覧会・サイトで公開も

アナログな印象があるペーパークラフトだが、最近はデジタル技術を採り入れ、リアルな造形を追求する動きが広がる。日本ペーパークラフト協会では作家や印刷加工業界と協力して雑誌付録からアートまで様々な作品を集めた展覧会を開く=写真。中国や欧州諸国など海外との交流も盛んだ。

作家自身の情報発信も目立つ。JR西日本が公開する「大阪ステーションシティ」を設計、制作動画も手掛けたクラフト作家のマキノシュンイチさんはSF世界を紙で表現した作品を自らのサイトで公開。「取りかかりやすく、やってみると奥が深い。紙なので失敗してもすぐやり直せるのも魅力」と話す。意外にはまる大人が多いというのもうなずける。

(河野俊)

[NIKKEIプラス1 2020年5月16日付]

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