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在宅を楽しむボードゲーム 弾む対話、浮かぶ性格

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我が家の断捨離候補だったボードゲーム。ポイする前、遊んでみたら思いのほか大興奮。盤を囲んで楽しむボードゲームが人気という。スマホゲームなどにはない魅力は何? ボードゲームの近況を追った。

引き出しの奥から出てきたのは「ごきぶりポーカー」。いつ買ったのかさえ覚えていない。ゴキブリ、ネズミなど8種類の害虫・動物を押しつけ合うカードゲームだ。相手が裏向きに出したカードの嘘・本当を見抜く。単純なルールだが、相手の表情や会話の機微を探るのがたまらない。対戦相手は妻。結婚20年。相手を知り尽くしていると思ったが連敗。したたかさを痛感する一方、盛り上がった。

ボードゲームとは直訳すれば盤上遊戯だが、今は電子機器を使わないアナログゲームを意味する。歴史や最近の動向を学ぶため曹洞宗洞松寺(山形県長井市)の住職でボードゲームジャーナリストの小野卓也さんに聞いた。「最近の人気は1980年代に欧州で誕生したカードゲームが発端。『モダンボードゲーム』と呼ばれている」

それまでのボードゲームは将棋や囲碁、マージャンが主流だったが、ドイツなどのカードゲームは開発者が「著者」、販売元が「出版社」と書籍のような扱いで、著者にファンが付く構図になるらしい。「ミステリー、謎解きといった物語に感情移入し、虚像と現実を同時に楽しめる新しい形ができた。運と技の双方が勝負の決め手である点も斬新」(小野さん)

東急ハンズ新宿店は約3年前から販売と種類が増え、現在は約300種を扱う。10~20代の若者がSNSなどで知り、買い求める。バイヤーの東海林智大さんは「インターネット世代にはアナログゲームが新鮮なのでは」と見る。

人気は「ナンジャモンジャ」や「はぁって言うゲーム」などルールが簡単で誰でもすぐに参加できるものだ。「チームで協力し合いながらゲームを進めるなどコミュニケーションに特化したゲームが売れている」(東海林さん)

ボードゲームの定番といえばタカラトミーの「人生ゲーム」。盤上のルーレットでコマを進める。1968年の発売以来、60作品以上、累計1500万個を販売した。日本で支持されたのは、すごろく的な要素を基本に「M&A(合併・買収)」や「バブル・IT世代」など、旬の話題を盛り込んだからだ。

「運の要素が強いが、家族や友人と楽しむスタイルは、対話を大切にする日本人に合っている」(タカラトミーの池田源さん)。勝敗ではなく、誰もが集える場所を提供するツールであり続ける。

「いつまでゲームをやってるの!」と青筋を立てる保護者も知育玩具的要素が強いボードゲームには寛容だ。教育評論家の小川大介さんは「複数対面型のボードゲームは有意義なリラックス法」と言う。ゲーム展開で、大切なのはコミュニケーション能力だ。

例えば、ババ抜きはパソコン相手でもできるけれど、複数の人と遊ぶ場合は手札の並べ方や相手の雰囲気など駆け引きが必要になる。「現実に虚構をプラスするゲームでは創造力が勝敗を決する」(小川さん)。状況を見極め決断する力は受験でも役立つ。難関中学に合格した生徒には親と一緒に楽しんで愛好家になった子供が多いという。

平等――。ボードゲームの最大の魅力を、小野さんはこう表現する。ボードを囲めば地位や年齢は無意味。小野さんは「ルールを守りながら競い、楽しめることが人を引き付けている」と分析する。

小野さんのイチ押しが「LAMA(ラマ)」。UNOのように手札からカードを出し切るゲームだが、カラフルな絵柄が気分を高めてくれそうだ。妻を相手にリベンジしよう! 「普段見えない人間性もみえますよ」。小野さんの言葉をかみしめながら。

◇  ◇  ◇

日本発のヒット作も

ボードゲームは毎年1000作品ほど発売される。海外製品を翻訳したものが多いが、「日本独自のゲーム文化の影響で、開発力が劣っているわけではない」と小野さんは指摘する。任天堂のテレビゲーム機のヒットを受けてデジタルゲームが主流となり、「時期が少し遅れただけ」(小野さん)。

2000年から始まったボードゲーム版コミケ「ゲームマーケット」。昨年秋の参加者は約2万9300人と同年春に比べて約20%増えた。イベントから生まれた「ラブレター」は、かわいい便箋にゲームカードをしたため瞬く間にゲーマーの心をつかんだ。日本の「作家」が名前をとどろかせる日も来るだろう。

(佐々木聖)

[NIKKEIプラス1 2020年5月9日付]

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