5カ月で体力が2割UP 「インターバル速歩」に挑戦

NIKKEIプラス1

初めは「3分なら、なんてことないかな」と思ったが、やってみると、予想外にきつい。普段、大股で歩くことはほとんどないからなおさらだ。3分で息が上がってしまった。「結構、きますね」と告げると、「そうでしょう」とあっさり返された。

次いで、ゆっくり歩きを3分。こちらは楽。「3分間の速歩の後に、ゆっくり歩きを挟むと、また速歩をしようという気分になる」と能勢さん。確かにそうだ。5セット、30分続けてみたら、筋肉がかなり鍛えられた感じがした。

筋力を維持するには歩くだけではだめなのか。「普通に歩いていても筋肉はほとんど増えません。漫然と歩いているだけでは、1日1万歩を実施してもほとんど効果はありません」。えっ!? よく聞く「1日1万歩が健康に良い」というのは誤りなのか?

もっとも、激しい運動をすると筋肉に大量の乳酸が出て、息切れが起きたり、筋肉痛になったりする。一方、ややきついインターバル速歩は「筋肉を傷めずに筋力をアップすることができる運動」(能勢さん)。筋肉の衰えを防ぐことができれば、体力が向上し、糖尿病や高血圧など生活習慣病の予防にもつながるという。

がぜんやる気が出てきたが、問題は1日30分の時間をどう確保するかだ。

能勢さんは「インターバル速歩は連続してやる必要はないんです」と話す。朝、昼、夕に分けてやってもいいし、速歩きとゆっくり歩きを3分間隔で繰り返さなくても、2分間隔、5分間隔と自分に合ったやり方で構わない。「要は速歩きの合計が1日15分になればいい」(能勢さん)。平日に時間が取れない場合は、週末にまとめて実施しても問題はないそうだ。

インターバル速歩は道具はいらず、自宅の近くなどで気軽にできる。気になるのは、5カ月間継続しなければ効果が出ないこと。色々な運動に挑戦したが、長続きしたためしがない。最大の課題だ。

新型コロナウイルス感染拡大の影響で在宅勤務を導入する企業が増えている。もっとも一日中、こもりっぱなしでは気分も滅入る。風通しの良い公園や遊歩道などで周囲との距離を保ちながら、運動不足解消や気分転換を目的に始めてみてはどうだろうか。

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自治体も普及を後押し

インターバル速歩をする市民(秋田県由利本荘市)

健康寿命を延ばそうと、自治体もインターバル速歩の普及に取り組んでいる。秋田県由利本荘市はインストラクターなどが指導する「インターバル速歩講座」を年間10回程度、開いている。「インターバル速歩体育館開放日」も設け、講座受講者以外の市民にも広めている。

同市によると、インターバル速歩を実践した人から「体脂肪率が改善した」「下半身に筋肉がつき持久力が向上した」など効果を実感した声が寄せられているという。

(大橋正也)

[NIKKEIプラス1 2020年4月25日付]

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