社長就任で渡された『人を動かす』 父親に学ぶ統率力GEジャパン社長兼CEO 浅井英里子氏

GEジャパンのトップ就任後には、父親から贈られた本が支えになっている。

マイクロソフトの仕事で医療のデジタル化を担当したのをきっかけに、GEヘルスケア・ジャパンに転職しました。組織を率いる役職だったことに興味がありました。

米ゼネラル・エレクトリック(GE)は、リーダーシップ研修に力を入れている企業です。ニューヨーク州クロトンビルでの幹部研修に何度も参加しました。「長い歴史を持つGEも変わる必要がある」として、研修時の参考図書が『Collective Genius』(邦題『ハーバード流 逆転のリーダーシップ』)です。

ハーバード大のヒル教授は、先が見通せない時代だからこそ、カリスマ的なリーダーに依存するのではなく、組織が持つ力を最大限に引き出す「羊飼い的なリーダーシップ」が求められると説いています。人の先頭に立って組織を引っ張るのは実は苦手なのですが「羊飼いならばできる」と、社長就任への自信につながりました。

トップ就任時に父から贈られたデール・カーネギーの不朽の名著『How to Win Friends & Influence People』(邦題『人を動かす』)は、心の支えです。商社マンの父は58年に修業生として米国に派遣されて以来、海外生活が長く、英語でのスピーチも得意です。そんな父が、若い頃に繰り返し読んだ本です。ボロボロになった父の愛読書は私のベッドサイドに置いてあり、何度も読み返しています。

持続可能性、グローバル、デジタル、リーダーシップ。愛読書を振り返ると、今の自分に欠かせないキーワードがつながっているように感じます。

(聞き手は編集委員 田中暁人)

[日本経済新聞朝刊2020年4月18日付]

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