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シンガポール、卵が20%値上がり 隣国の封鎖で品薄

日経MJ

店頭に並ぶ卵の数も少なめだ
店頭に並ぶ卵の数も少なめだ

シンガポールで卵が値上がりしている。東部の住宅地にある生鮮食品市場の卵専門店は中粒の卵10個の値札を6日、3シンガポールドル(約230円)に書き換えた。それまでの2.5シンガポールドルから、20%の値上げだ。卵の最大供給国のマレーシアが、新型コロナウイルス対策で国全体をロックダウン(封鎖)したことが背景にある。

「品薄で卸値が上がったから仕方がないんだ。売り物があるだけありがたいよ」と店主は申し訳なさそうに話した。世界で猛威を振るうコロナを抑えこもうと、封鎖や移動制限の措置に出る国が増えている。物流にも波紋が伝わってきた。

国土が狭く、都市化の進んだシンガポールは、農業が駆逐されて自給率が低く、食料の9割超を輸入に頼る。近年、食料調達国の多角化はしているものの、野菜や肉、魚などは隣国マレーシアが主要な供給国だ。卵はシンガポールで消費する約7割を頼っている。

そのマレーシアが3月中旬、コロナ感染抑制に国民の外出を制限し、国境を封鎖すると発表した。「生鮮食品を運ぶトラックが入国できなくなるのでは」とシンガポーリアンに不安が広がり、スーパーは買い占めに走る消費者であふれた。

結局、シンガポール政府の必死の交渉で、食料品の流通断絶は免れたものの、封鎖で卵の生産や物流が細っているようだ。代替にタイから卵を緊急空輸するなど、政府は確保に奔走している。

不安定な供給が価格に影響しているのは卵だけではない。ベトナムが3月下旬、コロナの悪化に備えて国内の備蓄を増やすため、コメの新規輸出を禁止すると発表した。コメはただでさえ近年、タイやベトナムの干ばつで供給が減り、値上げが続いていた。「ジャスミン米」と呼ばれ人気のタイ米は値上げが続きそうだ。

コロナの影響で物価全般は下振れリスクが強まっている。金融通貨庁が3月末に発表した2月のコア・インフレ率(自動車などを除く)は10年ぶりに前年比マイナスを記録した。しかし同庁は「世界各地の感染対策でサプライチェーンが混乱し、暫定的に輸入食料品の物価上昇圧力が強まる」と警告している。

(シンガポール=谷繭子)

[日経MJ 2020年4月12日付]

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