きれいな洗面所で感染予防 水あか落としはクエン酸
手を洗ったり、うがいをしたり。洗面所はいつも清潔にしておきたい場所。家族だけでなく、来客が使うこともある。新型コロナウイルスの感染予防も兼ねて、こまめな掃除を心がけよう。
髪の毛や歯磨き剤の飛沫、化粧品の液だれ……。洗面所にはさまざまな汚れがたまっている。ライオンのリビングケアマイスター、吉井和美さんは「毎日の簡単なお手入れと週1回の掃除を習慣にすると、きれいな洗面所を保ちやすい」と助言する。
専用ふきん常備 さっと拭き取り
まず、毎日やりたいのは鏡についた水滴や歯磨き剤の拭き取り。飛び散るごとにきれいにしよう。「水は乾くとこびりついて水あかになる」(吉井さん)。洗面台にいつもふきんを置いておけば、さっと拭ける。吉井さんは「ふきんは古いTシャツを切ったものなど毛羽立ちしない素材がおすすめ」と話す。
落ちた髪の毛は拾う。排水口の詰まりやぬめりの原因になるので流すのは厳禁だ。排水口も外し、小さなブラシなどで網の部分も掃除しよう。
蛇口まわりや洗面ボウル、洗面台についた水滴はふきんで拭く。1日の終わりにやるといい。「鏡や蛇口がきれいだと掃除が行き届いているように見える。光るものを光らせるのがコツ」(吉井さん)。
新型コロナウイルスの感染予防には、手洗い後に蛇口を消毒する。0.05%に薄めた家庭用塩素系漂白剤で拭いた後、水拭きする。または、アルコール濃度70%の消毒用エタノールで拭く。
週1のペースで心がけたいのは洗剤を使った掃除や掃除機がけなどだ。洗剤は浴室用が使える。化粧品やヘアケア剤の油性の汚れ落としに効果がある。蛇口のまわりや洗面ボウルにスプレーし、やわらかいスポンジでこする。
蛇口の付け根付近にはピンクの汚れやぬめりがつく。こうした部分は小さめのブラシや竹ぐしで汚れを取り除く。「ゴムパッキンは傷がつくこともあるので、力を入れすぎないこと」(吉井さん)。
洗剤でも取れない頑固な汚れがある場合はぬらして絞ったやわらかいスポンジに、クリームクレンザーをつけてこする。プラスチック素材の洗面台やボウルは傷つく場合もあるため、目立たない場所で確認する。最後にふきんでから拭きして仕上げる。
洗剤を使わなくても取り除ける汚れもある。日本ハウスクリーニング協会(東京・新宿)指導員の佐和田久美さんは「水あかにはクエン酸が効く」と話す。やわらかいスポンジにクエン酸水を含ませ、蛇口や洗面ボウルをこする。「クエン酸が残らないよう水でよく洗い流す。鏡は水洗いが大変なので水拭きとから拭きだけでいい」
小物類はまとめ トレーごと移動
洗面所では服の脱ぎ着や洗濯乾燥機への出し入れでほこりが出る。水がかかってダマになると、こびりつくおそれがある。
佐和田さんはほこりが落ちていても、「いきなり水拭きするのは逆効果」と話す。乾いた状態のほこりなら、掃除機やハンディモップで簡単に回収できる。洗面台や床はもちろん、鏡や棚の上、洗濯機のまわりまで掃除したい。
洗面台や棚に置いてあるモノの点検も大切だ。「化粧品の液だれがあったらすぐに拭く。放置するとキャビネットの割れや染みにつながる」と吉井さん。佐和田さんは「余分なボトル類や歯ブラシは処分して。使うモノだけトレーなどにまとめて置けば掃除もしやすい」。見落としがちなのがタオルやコップ。タオルはこまめに交換、コップや歯ブラシ立ても忘れず洗う。
排水口からにおいがすることもある。旅行で長く水を使わなかったときなどに排水トラップの水が減り、下水管からにおいが上がってきているケースが多い。そういうときはトラップ部分に水を満たすため、「コップ1杯くらいの水を流して様子を見る」(吉井さん)。
これでにおいが解消しない場合は塩素系のパイプクリーナーを使い、排水パイプにたまった汚れをとかす。
それでも排水の流れが悪い場合もある。そんなときはトラップの水抜き用のキャップを開け、竹ぐしなどでゴミを取り除く。金属のパイプがついていて、工具がないと外せないものは業者を呼んだ方が確実。頻繁にやる掃除ではないが、覚えておくとモノを落としたときに役に立つ。
(ライター 奈良 貴子)
[NIKKEIプラス1 2020年3月14日付]
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