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昭和懐かし、駄菓子屋コーナー 東京・亀有のダイソー

日経MJ

商品はそのままに見せ方を工夫して駄菓子屋風にした
商品はそのままに見せ方を工夫して駄菓子屋風にした

100円ショップ「ダイソー」を運営する大創産業(広島県東広島市)が昨年11月に改装オープンしたダイソー亀有リリオ店(東京・葛飾)。店内に駄菓子屋が出現した。これまでは商品の用途に従って陳列していたが、昭和の駄菓子屋やインバウンド(訪日外国人)向けなど売り場に特徴を持たせた。商品はそのままに、見せ方に工夫を凝らしている。

同店はJR亀有駅前の複合商業施設「亀有リリオ」の5階に展開。ワンフロア全てがダイソーで、売り場面積は約2800平方メートル。常時4万アイテムを取りそろえる大型店だ。若い女性を中心に人気を集める300円均一の新ブランド「スリーピー」のコーナーも設けた。

店内を見渡すと、一般的なダイソーにはない駄菓子コーナーが目に飛び込んでくる。同コーナーは木目調の棚と暖色の照明を配し、大人でも懐かしい雰囲気に仕上げた。販売している商品は他店舗にもある小学生向けの玩具や菓子類だ。

ただ、これまでの直線的な棚で種類ごとに並べていた商品を、新たに駄菓子屋として見せることで「子連れのお客さんの足を止めることができるようになった」(同店担当者)と効果を話す。税別100円という安心感が子どもの財布のヒモも緩くする。

ダイソーの商品は訪日客にも人気だ。ダイソー原宿店(東京・渋谷)は連日、お土産を買いに来た外国人で盛況だが、ここ亀有にも買いに来る訪日客も少なくないという。

このため、すしのストラップや和柄のハンカチ、ダルマの置物などを集合陳列した訪日客向けのコーナーも設けた。店の中を探す必要がなくなり、販売機会の損失も防げる工夫だ。

他にもテーブルの上に食器や小さな家具を並べたショールームのような空間、環境負荷の少ない素材を利用した商品を並べる「ダイソーエコ」などもある。1つの売り場に小さな店舗がいくつもあるようなイメージだ。

他のダイソー店舗との違いは売り場の通路の広さにもある。通常店舗は最も広い通路でも1メートル80センチメートルで、買い物客が対面で通るにはやや窮屈。このほどの改修で3メートルと買い物カートも快適に通行できる幅に広げた。

壁に沿って並んでいたレジも店の真ん中に配置した。買い物客が自ら買い物袋に入れる通過方式に切り替えたうえ、レジの数を増やしたことで、レジ待ちの時間を減らした。

ダイソー全体での商品数は合計7万アイテムのため、全てを店舗に置くことはできない。これまでは選ぶ楽しみを感じてもらうため面積当たりの商品数を重視してきた。改装でバックヤードを売り場に変えたことから在庫を抱えにくくなったものの、「多くの商品がありながら快適に選べる」(店舗担当者)環境づくりが可能になった。

買い物カートやカゴがあってもストレスなく商品選びを楽しめる環境を両立した。この結果、買い物客の平均滞在時間と買い上げ点数が伸び、月当たりの平均売上高は改装前より3割増えたという。

ダイソーの店舗は国内に3000店以上あり、大型の路面店から、小型のテナント店まで多種多様だ。これからは地域のニーズや面積に合わせて売り方に特徴を出していく考えだ。

(佐伯太朗)

[日経MJ 2020年3月11日付]

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