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北京で外出制限特需 GSの野菜詰め合わせ1600円

日経MJ

ガソリンスタンドの従業員が車のトランクに野菜を積んでくれる
ガソリンスタンドの従業員が車のトランクに野菜を積んでくれる

「とにかく安全で手軽に野菜を調達できるので助かる」。北京市のインターネット企業で働く張斯博さん(37)は2月中旬から自宅近くの中国石油化工(シノペック)のガソリンスタンド(GS)で給油をする際、併設するコンビニエンスストア「易捷」で野菜の詰め合わせセットを99元(約1600円)で購入するようになった。

張さんが購入した野菜詰め合わせの中身は、ナスやトマト、ニンジン、カリフラワーなど重さが計約7キロに達する野菜10種類余りと、10個の生卵のセット。3人家族で3日分の3食をまかなうことができるという。北京では供給不足から入手が難しいマスクもおまけとして付く。

給油中にスマートフォンのアプリで手軽に購入でき、従業員がトランクに野菜を詰め合わせた段ボールを置いてくれるため、車から降りずに野菜を入手できる。会員制のポイントカードを活用すれば、支払額を59元に抑えることもでき、値ごろ感もある。

新型コロナウイルスの感染拡大を受けて、北京市政府は住民の外出を厳しく制限している。ほかの都市から戻ってきた市民は自宅から2週間外出できず、多くの企業は在宅勤務、学校はネット授業に切り替わった。飲食店も通常営業ができないため、市民の大半は自宅で食事を作って食べるようになった。

そんななか、中国で3万店余りのガソリンスタンドを展開するシノペックが2月から北京などの併設コンビニで始めたのが野菜の販売だ。従来は飲料や菓子類などが中心で、生鮮食品を扱っていなかったが、新型コロナによる「特需」に対応した格好だ。

張さんは「感染が怖いため、最近は地下鉄やバスに乗らない。自家用車の利用増に伴って給油の回数も増えている」と指摘する。シノペックのコンビニ「易捷」の店舗数は約2万7千店舗で国内最大のチェーンだ。日系コンビニに比べ桁違いに多いが、食品などの品ぞろえの悪さから収益力は低かったとみられる。今回の野菜販売をテコにコンビニとしての競争力を高められるかに注目が集まる。

(北京=多部田俊輔)

[日経MJ 2020年3月9日付]

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