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「掘り出し物」で楽しさ演出 東京・南町田の成城石井

日経MJ

未スライスの食パンや総菜の量り売りを実施する
未スライスの食パンや総菜の量り売りを実施する

成城石井が2019年11月、南町田グランベリーパーク店(東京都町田市)を開業した。近隣に同社の総菜やデザートなどを製造するセントラルキッチンがある点を生かし、人気総菜の量り売りや製造過程で出る不ぞろい品をお得に買えるようにした。地元客の日常利用のほか、遠方から来店する客の目的地になるよう「店舗限定」の取り組みを多く取り入れている。

グランベリーパークは00年開業、17年に閉館したアウトレット商業施設。19年11月に食関連やエンターテインメントなどの施設を充実し、大規模複合施設として再オープンした。成城石井の南町田グランベリーパーク店は生鮮やスイーツなど27の専門店で構成され、日常使いを想定したゾーン「ギャザリングマーケット」の一角にある。

店舗のコンセプトは「南町田プレミアム」。売り場面積約150平方メートルと比較的小さい店舗だが、「FRESH(新鮮)」「BARGAIN(掘り出し物)」「LIMITED(限定)」をキーワードに、この店舗限定の取り組みを展開する。

1つ目の「新鮮」では、町田市内のセントラルキッチンから直送した商品を価格を抑えて販売する。自家製の「湯種食パン」は通常1斤の5枚スライスを税別370円で販売しているが、同店では未スライスの1.5斤を同399円で販売する。

好きな厚さにカットして、もちもちの食感を楽しめる。セントラルキッチンからの直送でスライスの手間や輸送コストがかからないため、価格を抑えて販売できるという。

「成城石井自家製 ポテトサラダ」(100グラム税別129円)や「同 麻婆豆腐」(同)といった人気総菜の量り売りも実施。家族全員分の大量購入や付け合わせとしての少量買いといった幅広い需要に対応する。こちらもセントラルキッチンでパック詰めするコストが削減できることから、他店舗よりも価格を抑えられる。

「掘り出し物」としては、形や燻製の色むらなどが出たポークウインナー(1キログラム税別1490円)や、発酵が進みすぎて大きくなってしまったり、少し焼けすぎてしまったりしたパンなど、製造過程で出てしまう不ぞろい品を不定期で割安に販売している。

3つ目の施策は「限定」で、スライスの過程で発生する湯種食パンの耳を使ったラスク(180グラム税別299円)を販売する。フランス最大のチョコレートメーカーのチョコを使用し、店舗内で温めることでとろける食感を味わえる「自家製ソフトクリームのハイカカオフォンダンショコラ」(同399円)は限定商品として発売。売れ行きが好調だったため他の5店舗でも展開している。

多くの限定の取り組みをちりばめることで、これまで成城石井のファンだった人でも楽しみに買い物ができる店作りを目指した。グランベリーパークには多くの人が訪れるため、成城石井ブランドをアピールする場所としての役割も担っている。

成城石井がセントラルキッチンを町田市に設けたのは1996年。店舗運営本部と店舗開発本部の本部長を務める早藤正史執行役員は南町田を「創業の地である成城と同様に、成城石井を育ててもらった場所」と位置づける。

一方でセントラルキッチン周辺に店舗がなかった。南町田グランベリーパーク店のお得感を打ち出した取り組みには「地元への恩返しとしての意味も大きい」(同)という。今後は子供を対象にしたレジの仕事体験など、地元に密着した取り組みも積極的に実施していく方針だ。

(伊神賢人)

[日経MJ2020年3月4日付]

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