日用品をショーウインドー化、季節感・彩りで数千点イオン東北 田村優里菜さん

田村さんは数千点の商品からオススメを提案
田村さんは数千点の商品からオススメを提案

イオン東北(秋田市)は東北地方でスーパーなどを展開する。そのイオン古川店(宮城県大崎市)で働く田村優里菜さんは全国でも珍しい、同店が独自に編集した「ショーウインドー」と位置づける売り場の企画を担当する。最若手ながら数千点の商材から季節ごとに生活に即したオススメを提案し、集客や店舗の活性化につなげている。

「あら、何かしら」。2019年12月、古川店2階の一角で多くの来店客が足を止めていた。天井からつるされた鮮やかな装飾品と共に、クリスマスに関連した食器類といった商材がまとめて並べられていた。「インパクトがある売り場にしたかった。クリスマスをもっと楽しんでほしい」。この売り場を企画したのが日用品や家具などの「ホームコーディ」部門でダイニング商品を担当する田村さんだ。企画は家族連れや学生などからも好評で、中には完売する商品も出た。

岩手県出身の田村さんは地元高校を卒業後、イオンへ16年に入社した。イオン盛岡店(盛岡市)での寝具売り場担当を経て18年9月から古川店で働いている。イオンモール内にある大型の盛岡店では売り場づくりも管理職クラスが担い、その指示に従うことが多かった。

一方、古川店は社員一人ひとりに任される裁量が大きい。同店では、2階の一部に「ショーウインドー」としてホームコーディ部門のオススメ商品を季節ごとに紹介する自主編集売り場を設ける。「こんな取り組みがあるんだ」と田村さん自身も驚いた売り場を、異動直後に任されることになった。

「子どもの頃から工作が好きだった」と話す田村さんにとって、自らのアイデアを具現化できる売り場づくりは緊張しつつも、やりがいは大きいという。親子ほど年の離れたパート従業員に意見を求めたりしながら自らのイメージを形にしていく。日ごろからインスタグラムで気になるデザインを収集し、売り場作りに生かしている。

重視するのは「実際に生活するシーンを想像すること」。春の新生活を提案する現在の売り場は、背景色を新緑を感じさせる緑色にし、新商品の青い鍋を置く棚にはデニム素材の敷物を用意するなどのこだわりを見せる。

来店客に「ここで全部そろうね」と言われるのが何よりもうれしい。最近はダイニング用品をネット通販でそろえる人も多いが「訪れた人に『これもあったんだ』と新たな発見をしてもらいたい」と検索では見つけられない提案を心がける。

同店の社員では最若手の一人。上司である小沢真実ホームコーディ店長は「新しい風を吹きこんでくれる」と評する。ある時、ダイニング用品の中でも目立ちにくい真空パック商品に焦点を当てたことがあり、共働きで料理を作り置きする家庭が増える中で評判を呼んだ。変革のまっただ中にある総合スーパー(GMS)。若手ならではの斬新な発想に、画一的になりがちな店を変える期待が高まっている。

(古川慶一)

[日経MJ2020年3月2日付]

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