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シークスの相川美咲さん

シークスの相川美咲さん

電子機器の受託製造サービス(EMS)で国内最大手のシークス。相川美咲さん(29)は売り込み先の情報を調べ尽くした上で、粘り強く交渉する「熱量」の高い営業で、顧客との信頼関係を築いてきた。新規参入が難しいといわれる自動車部品メーカーからも受注をつかむなど、同社でも注目株の若手だ。

「気になったことは徹底的に調べる」。仕事に臨む上で相川さんが第一に重視している点がこれだ。その代表的な成果が2019年春につかんだ車載部品メーカーからの新規受注だ。自動車業界は取引実績のない企業との契約には極めて慎重な世界。粘り強い営業で相手を動かした。

相川さんは大学時代に海外ビジネスに興味を持ち、15年にシークスに入社した。同社は海外の売上高比率が8割に及ぶ。約200人いる国内採用の社員も、多くは海外の駐在員として現地で営業活動などに当たっている。

「大手の総合商社より、少数精鋭のシークスの方が若手でも海外で活躍するチャンスがある」というのが入社の動機だった。最初に配属されたのは東京第一営業部。先輩社員とともに取引先を訪問する日々が続いた。「1日でも早く独り立ちできるよう、先輩の話す内容を聞いて自分ならこう言うということを常に考えていた」と振り返る。

扱うのは緑色の基板に、各種の電子部品を乗せた基板実装品。産業機器メーカーが取引相手だ。シークスの営業担当は電子部品の購入から組み立て、販売までを一貫して担う。単なる物販とは、求められる知識のレベルが違う。

契約・法律…徹底的

学ぶべきことは山積している。契約書の内容に漏れはないか、法律上の問題はないか。在庫管理や債権回収の手はずは十分か。法律や経理に関する知識は欠かせない。そこで「気になることは徹底して調べる癖を付けた。分からないことは、分かる人にとことん聞いた」と相川さん。

17年に名古屋営業部に異動した。自動車産業が盛んなこの地域で、車載部品メーカーからの新規受注の獲得を狙った。だが簡単には「入り口」にも立たせてもらえない。どうやって相手に食い込み、「シークスに任せれば大丈夫」と思ってもらえるか。

相川さんが出した答えは「自分を知ってもらうには、まずは相手をとことん知らなければ」という思いだった。先方のサイトや製品カタログ、有価証券報告書などの資料をそろえ、競合他社のデータも並べて比較研究を重ねた。そのうち相手先の担当者が「よく調べているね」と感心するようになったという。

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