いつもスマホが招く脳過労 物忘れが増えたら要注意

NIKKEIプラス1

脳過労を改善・予防するためには、前頭葉での情報処理がスムーズに行われる状態をつくることが大切になる。カギとなるのが「デフォルト・モード・ネットワーク(DMN)」という脳の回路だ。

DMNは思考など意識的な活動をしていないときに活発に働く。枝川氏は「ぼんやりしているときや眠っているときに顕在化し、情報や記憶を整理する役割を果たしている」と解説。DMNの働きで脳がメンテナンスされる。

仕事でパソコンに向かい、プライベートでも四六時中、スマホを手にするような生活では、DMNが機能する機会が奪われる。スマホは便利だが、使用目的や時間を限って活用するのが賢明だ。「トイレや浴室、寝室にはスマホを持ち込まない、食事中や会話中にはスマホを出さないといった工夫で、手放す時間を増やすといい」(枝川氏)

奥村氏は「皿洗いや拭き掃除などの単純作業や、ゴルフの素振り、散歩など単調なリズム運動を行うと、自然とぼんやりした状態になれる」と助言する。夜の睡眠を十分にとるほか、昼休みなどに15分程度の昼寝をするのも有効だ。昼寝が難しい場合は「イスに腰掛けたまま、目を閉じて姿勢を正し、5分ほど呼吸に意識を向けるだけでもDMNの効果がある」(枝川氏)。

奥村氏は「スマホをいつ、何に、どれくらい使っているかを記録してみて、本当に必要な場面を見直すことから始めてみては」と勧めている。

(ライター 田村知子)

[NIKKEIプラス1 2020年2月22日付]

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