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日本発祥の軟式野球・テニス ボール進化でプレー白熱

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NIKKEI STYLE

家庭や学校で一度は触れたことのあるだろうゴム製のボール。野球やテニスで使われる「軟球」は日本発祥で海外ではほとんど見かけない。日本独自の文化ともいえる軟式スポーツの歴史をたどった。

最も早く軟球が使われた競技はテニスだ。日本ソフトテニス連盟によると、テニスは明治初期に日本に伝わってきた。輸入していたボールの代用品として女児の遊び道具だった「手まり」を使ったことがソフトテニスの始まりだ。

1880年代に国内でゴム製のボールの製造が始まったとされる。軟らかい球に回転をかけるためフォアハンドもバックハンドもラケットの同じ面を使って打つなど独自のプレースタイルも生まれた。

シングルスよりもダブルスが中心となっていることも「2人が持ち力を合わせてという日本的な考え方がベースにあるのでは」とソフトテニス連盟の野際照章専務理事。

野球の軟球は、ゴム靴の裏の滑り止めからヒントを得て1916年に開発された。全日本軟式野球連盟は「少年野球の全国大会のため、安全なボールをつくることが目的だったようだ」と説明する。

38年に意匠が統一され、現在は2018年から使われる7代目。従来よりバウンドは低く、飛距離は伸ばし「硬式に近づいた」。中学生の体格がよくなったことで、初めて一般用と中学生用を統一。軟球の特徴でもある表面のくぼみ(ディンプル)は小さな円形から大きなハート(桜)形に変更し、縫い目も増えた。

軟球が日本に根づいた背景に優れた製造技術がある。テニスと野球の軟式公認球を製造するナガセケンコー(東京・墨田)の「軟式野球資料室」(見学は予約制)に展示される歴代の軟式ボール。興味をひくのはボールを2つに割った断面だ。表面の白いゴムと内側の黒いゴムの2層構造は、硬度と割れにくさの両立という難題を解決する技だ。

テニスボールも全体のバランスを整え、空気穴にかかわらず飛び方を一定にする工夫を施す。ゴムの配合などは企業秘密。「これまでの技術の積み重ね。そう簡単にまねできない」と同社は胸を張る。

日々プレーする選手はボールの進化をどう感じているか。軟式野球の全国大会「天皇杯」7度優勝の強豪、京葉銀行野球部の千葉市のグラウンドを訪ねた。

「ディンプルが吸い付く感じ」。主将の佐瀬友基投手は球速も変化球の切れも増したという。副主将の石原一成外野手は「球が潰れず捉えた感触が直に伝わる」と打球の飛距離アップを感じる。軟式野球といえば高く弾むバウンドを利用し、たたきつけた打球で走者を進めるのがセオリーだが、中原竜太監督は「ボールが変わったことで戦術の幅が広がった」。

ただ他のスポーツ同様、少子化の影響で競技人口は減っている。ソフトテニス連盟の競技者登録はピーク時の約54万人(04年度)が18年度は約42万人、軟式野球連盟も約150万人(80年)が19年は約84万人となった。両連盟は国際普及にも力を入れており、19年に中国・台州で開かれた世界ソフトテニス選手権には、アジア以外に米国・オーストラリア・ロシアなど計26カ国が参加している。

生き残りのカギは気軽にプレーできる裾野の広さだ。ソフトテニス連盟は「軟らかいボールは高齢者や障害のある人も楽しめる」と強調。軟式野球も年を重ねた硬式経験者が回帰する「循環」(軟式野球連盟)がある。技術力と高齢化社会。軟球は日本社会の時代も映しているようだ。

記者も元高校球児。草野球もご無沙汰だが、進化した軟球をミートした手応えはどのくらい硬球に近いのか、試してみたくなった。

◇  ◇  ◇

ソフトボールでは使い分け

テニスや野球以外に卓球でも「軟式」の競技があった。1900年代前半に卓球が日本に伝わって以来、大きさは同じでも軟らかくて軽い国産のボールを使った試合が行われ「国際式」(硬式)と「日本式」(軟式)が併存していたという。球の大きさが変更されたことを受け、2001年の全日本大会を最後に軟式は姿を消した。

軟式とは呼ばないもののソフトボールでは、小中高校はゴム製、大学や実業団は革製のボールを使い分ける。ゴムボールがあるのはやはり日本だけで、東京五輪などの国際大会では皮ボールが使われる。

(伊藤新時)

[NIKKEIプラス1 2020年2月22日付]

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