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「Red」「ロマンスドール」 愛の物語挑む監督の思い

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NIKKEI STYLE

三島有紀子監督とタナダユキ監督が、愛の物語に挑んだ。「Red」で現代の女性の自己解放を描いた三島。「ロマンスドール」で秘密を抱えた夫婦の愛の移ろいを描いたタナダ。両監督に聞いた。

三島有紀子「Red」

覚悟もって生きる

「Red」(21日公開)の主人公は瀟洒(しょうしゃ)な家で夫と娘、夫の両親と同居する塔子。専業主婦だが、昔の恋人・鞍田との再会を機に、仕事を再開。本当の自分に目覚める。島本理生の原作を読み「現代の『人形の家』だなと思った」という。

「彼女は自分の中に尺度がない人で、それが現代的だと思った。昔と違ってネットで他人の尺度を見られるし、取り込む器用さもある。でも自分の尺度はない。それは緩やかな自殺に近い。自分を押し殺している彼女を爆発させたかった」

「自分がこうすることが周りを喜ばせる、と思い込んでいる。かつて女性は社会規範に閉じ込められていたが、彼女は自分が作った塀に閉じ込められている」

そのことに気づくきっかけが鞍田の覚悟だった。

「覚悟をもった人間が目の前に現れた時、自分は覚悟をもって生きているかが問われる。何を愛するか。それが自分の生き方を決める。ライフスタイルではない。どういう人間をよしとして、愛し抜くか。覚悟をもって生きるか。それは尊い精神であり、魂になる」

結末は原作より苛烈だ。

「強く愛せるものにはそうそう出合えないから、つかみ取る。覚悟をもって、全てを捨てないと、選べない。それを業として、罪を背負って生きていく」

ラブシーンは激しい。

「一部始終を見せたいと思った。衝動的なキスで始まり、どういうふうに心と体を開いていくかを、表情でしっかり見せる。耳の赤らみ、肌の紅潮もちゃんとやりたかったから、カメラを止めずに一連で撮った」

三島自身の愛の対象は「映画」なのだという。

「塔子の母の『人間どれだけ惚(ほ)れて死んでいけるかじゃないの』というセリフは、NHKを辞めた後、ある女性の先輩に言われた言葉。映画に惚れたのなら突き進んで行かずに何するのと。この作品には自分の業と衝動、罪も出ている」

タナダユキ「ロマンスドール」

夫婦の思いを形に

「ロマンスドール」(公開中)は互いに秘密を抱えた夫婦を描く。タナダが15年前から温めた物語だ。

「夫婦を描きたいと常々思っていた。夫婦は絶対的な他人。親子と違って血のつながりもなく、わかるということはない。だからこそ、わかろうとする努力はできる限りした方がいい」

「私は結婚していないけれど、他人と一緒にいることの難しさは、若い頃よりわかる。片方の努力では解決しない問題がいっぱいある。互いに努力していても、努力がかみあわなければ、うまくいかない」

夫・哲雄はアダルトグッズであるラブドールを作る職人。妻・園子に自分の職業を打ち明けられない。

「ラブドールを初めて見た時、ここまで美しいんだ、どうやって作るんだろうと興味がわいた。『面影』というドールは亡くした妻を思う夫が発注したという。人形は人の代わり。人が人を思って作る人の形だ」

妻の病を知らされた夫はそのドールを一心に作る。

「園子は哲雄のことを思い、自分のことは忘れてもらった方がいいと思う一方で、忘れないでほしいという矛盾を抱えている。哲雄は園子を理解すればするほど、彼女の気持ちが痛いほどわかってしまう。園子が自分の中に住み着くことは危険だという自覚はあるが、あえてそれを選ぶ。彼が生き続けるために必要な行為だったのだろう」

ラブシーンが美しい。

「生々しい必要はないと思った。あくまで夫婦の思いを大事にし、美しいものとして残したかった」

「16ミリフィルムで撮ったのは手触りが好きだから。そのざらつきが人間の収まりきらない感情に近い」

一貫して人間の欠落感を描いてきたが、今回は正面から「愛」を描いた。

「ドールがあったからこそできたのだと思う。欠落した思いを託すものとしてドールが存在するから」

(編集委員 古賀重樹)

[日本経済新聞夕刊2020年2月3日付]

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