カシオ「オシアナス」 青い文字盤、最先端の技凝縮

日経MJ

多彩な青の表現と高機能でビジネスマンの支持を得る(都内の売り場)
多彩な青の表現と高機能でビジネスマンの支持を得る(都内の売り場)

カシオ計算機が販売する高級腕時計「オシアナス」が人気を集めている。主力の「マンタ」シリーズは時刻の自動修正やソーラー発電機能を搭載しつつ、薄くて腕にフィットするのが特長だ。文字盤では多彩な技術で青色を表現しており、見る角度によって表情も変わる。日本の伝統工芸を取り入れた時計やアニメコラボも発売し、さらなる成長を目指す。




スマホと連動、海外でも自動で時刻修正

オシアナス・マンタの誕生は2007年。当時は世界最薄のクロノグラフを搭載するソーラー発電ウオッチだった。カシオの代表的な腕時計「Gショック」よりも高単価で、ビジネスに即したデザインと高機能を標榜して開発した。平均価格は約20万円で、40代前後の男性が主要顧客層だ。

特にスマートフォンと時計が連動する「モバイルリンク機能」は、海外出張の多い社会人から引き合いが強い。専用のアプリで1日4回時刻を修正するほか、サマータイムにも対応する。アプリでは時計のソーラー発電量なども確認できる。

スマホがなくても世界6局の標準電波を受信する。日本や欧米、中国では自動修正が可能だ。メインダイヤルと文字盤下部のサブダイヤルで世界2都市の時刻を同時に表示できる機能もある。世界を舞台に戦うビジネスマンの「万が一」に対応する。

見る角度によって変わる青色の文字盤がオシアナスの特徴(マンタシリーズの最新モデル)

時計の顔である文字盤やベゼル(額縁部)ではカシオの独自技術で青色を表現する。金属などを高温で蒸発して、腕時計の表面に付着する「蒸着」という処理を施している。これにより見る角度で表情が変わり、シンプルながら飽きの来ないデザインに仕上げている。

青色をテーマに新商品投入、江戸切子をベゼルに

さらに顧客の幅を広げようと、青色をテーマにした新商品を次々に投入する。19年10月には江戸切子をベゼルに採用したモデル(税別23万円)を発売。琥珀(こはく)色と青色のサファイアガラスは熟練の職人が手作業で作り上げる。

昨年予約販売した人気漫画「宇宙兄弟」とのコラボモデル(同25万円)では青い文字盤で地球を表現した。「技術や形に特徴がある腕時計ブランドは多いが、色に着目したブランドは珍しい」。オシアナスの商品企画を担当する佐藤貴康氏は話す。

もともと「世界最薄」が特徴だったオシアナス・マンタ。発売から10年以上たった今も薄さの追求は続いている。モジュール企画室の黒羽晃洋氏は「100を超える部品があり、その全てを一から見直した」と語る。時計としての機能はそのままに、端子の配置を見直すことで盤面の凹凸を抑え、さらなる薄型につながったという。

カシオの時計事業は個性が強い「Gショック」がけん引し、その他のブランドの売り上げは近年横ばいだった。オシアナスは青へのこだわりと「スーツの袖に引っかからない」薄さで評価を高め、19年4~9月期の売り上げは前年同期比6割増だ。オシアナスの次の一手に注目が集まる。

(佐伯太朗)

▼カシオ計算機が2004年から展開する高級腕時計。ブランド名は海を支配する神(ギリシャ神名:オケアノス)に由来する。スポーティーな見た目の「カシャロ」やシンプルな「クラシックライン」などがある。主力の「マンタ」は大型のエイを表し、薄く腕に密着する様子から名付けた。

[日経MJ 2020年1月31日付]

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