半導体製造装置、顧客との対話で商談へ回路東京精密 大沢健治さん

東京精密の大沢健治さん
東京精密の大沢健治さん

半導体製造装置の大手、東京精密で切削装置の営業をけん引する一人が大沢健治さん(35)だ。競合他社とシェア争いでしのぎを削る中、電子部品メーカーからの大型商談を相次ぎ受注した。「お客様の目的を正確に把握して、会社一丸となって対応すること」が何より重要だと語る。

あらゆるモノがネットにつながるIoTやSNS(交流サイト)サービスの普及に伴い、半導体や電子部品の引き合いは強い。東京精密の主力製品で、基板をチップ状に切り分ける「ダイシング装置」も需要が高まる。大沢さんが担当するのはこの装置だ。

「事業の伸びしろは大きい」と大沢さん。ただダイシング装置は顧客によって求める性能や仕様が違う。高硬度の特殊な材料を削ったり、高い精度で加工したりといった難題にも応える必要がある。価格やサービスも含めた、きめ細かな対応が求められる。

「社外秘」の壁突破

実際にどんな材料を加工するのか、発注側は「社外秘」を理由に具体的な情報を教えてくれないことも多い。営業担当は対話を通してスペックや価格だけでなく、顧客の目的や真意を理解し、それを実現させる提案をする必要がある。大沢さんは普段から顧客企業に足しげく通い、コミュニケーションを欠かさない。

「用事がなくても営業先にはよく足を運びます」と大沢さんは話す。東北地方の自動車部品メーカーには、1カ月に3回は通う営業を半年続けた。生産技術を担当する先方の課長職と、発光ダイオード(LED)照明を搭載するタイミングで技術的な相談に乗っていたところ「20台ほど装置を買い替えたい」との発注を受けた。電話やメールでの商談では決して実現できない大型案件だった。

そんな大沢さんだが、入社当初は仕事に慣れず、失敗もあった。顧客対応に時間がかかったり、自社の技術部門の立場から「できない言い訳」を並べたりして、営業先から叱られたことも。当時を振り返って「お客様と目的を共有できておらず、言葉尻にとらわれていた」と反省する。

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