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心温まる滋賀の鍋「じゅんじゅん」 湖魚のうま味凝縮

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NIKKEI STYLE

「じゅんじゅん」は滋賀県内でしょうゆをベースに甘辛く味付けする鍋料理を指す。煮込む時の音からこう呼ばれる。今では牛肉や鶏肉も使うが、かつては琵琶湖の新鮮な魚が主役だった。ネギなど野菜から出る自然な甘みが魚の淡泊なうまみを引き立てる。琵琶湖からの風が冷たくなる季節に、様々な湖魚のじゅんじゅんで体と心を温めた。

鍋に入れるたびに体長3~4センチの透明な魚体が次々に白く変わっていった。その日に水揚げされた琵琶湖産のアユの稚魚、ヒウオだ。12月から1月にかけて取るが、養殖や放流用が優先され、漁獲が多いときだけ食用にも回る。

ひさご寿し(近江八幡市)では、ヒウオの淡泊な味わいを生かすためダシは薄味だ。生で食べると、ほろ苦さとキュウリのような独特の香りがするが、煮るとクセが消えてうまみが増す。魚の持ち味が違うため、1つの鍋に1種類の魚しか使わない。地元特産の丁字麩(ふ)と赤こんにゃく、ゴボウ、ミツバも入る。

社長で料理長の川西豪志さんは「淡水魚は内臓の酵素の働きで身が溶けやすく、取れた日に調理する。だから湖魚のじゅんじゅんは漁師さんが運べる湖岸のエリアにしか根付かなかった。しょうゆが普及した江戸時代に今の形ができあがった」と説明する。

薄い黄色の魚体に愛嬌(あいきょう)のある顔。イサザはハゼの仲間で琵琶湖の固有種だ。旅館の紅鮎(長浜市)で食べたのはやや小ぶりの体長4~5センチ。「上品ないいダシが出る。漁師さんが減って出回りにくくなった」と山本清蔵社長は話す。塩焼きにすると、ほどよい脂と白身のうまさがよく分かった。

びわ湖畔味覚の宿双葉荘(彦根市)ではウナギのじゅんじゅんが待っていた。ほどよく脂を落とすため白焼きにして鍋に入れる。双葉荘の片岡良介さんは「家庭にいい食材が入ったときに『じゅんじゅんしようか』と言っていた」という。ウナギの濃厚な味わいが鍋全体に溶け出し、ブランド農産物の安土信長葱(ねぎ)が甘みを添える。汁を吸い込んだ縮みこんにゃくの食感がいい。すき焼きのように溶き卵で食べてもいける。

京都華頂大学の堀越昌子教授(食文化学)は「骨まで丸ごと食べることで、内陸部で起こりがちなカルシウム不足を防ぐ効果もあった」と指摘する。湖で取れたたんぱく源を煮て食べるのは、太古の時代からの自然な営みだろう。魚体をそのまま食べると、生命をいただいているという気持ちが強くなる。琵琶湖の恵みへの感謝の思いとともにこの味が受け継がれている。

<マメ知識>湖岸開発で漁獲高減
 琵琶湖に生息する魚介類は110種類あり、うち45種が琵琶湖固有種だ。2017年の漁獲高は713トン(外来魚などを除く)で、7年連続の1000トン割れとなった。ピークだった1955年の7%にすぎない。湖岸の開発に伴い、魚の産卵場が減ったことなどが影響している。魚種別ではアユ(稚アユを含む)が全体の39%を占める。琵琶湖では成魚になっても大きくならず、コアユと呼ばれる。これにフナ類やハゼ類が続く。かつて半分を占めたシジミが激減した。ブラックバスなどの外来魚は駆除が進んでいる。

(大津支局長 木下修臣)

[日本経済新聞夕刊2020年1月23日付]

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