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片思いこそリアル ぐだぐだの恋愛描く今泉監督の思い

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NIKKEI STYLE

どの登場人物も恋をしているが、どの恋もうまくいかない。そんな片思いだらけの恋愛群像劇をつくり続ける今泉力哉監督に話を聞いた。ぐだぐだの恋愛は「答えがないから面白い」という。

2019年の「愛がなんだ」でブレーク。公開中の「mellow メロウ」も様々な男女の様々な片思いを描く。

「自主映画を撮っていたころに思いついたのが、世の中のカップルも、みな互いの思いに差があるんじゃないかということ。50対50でなく、どちらかがより強く思っている。どちらかは思われている。ほとんどが片思いかもしれない。嫉妬をもちながらそう考えた」

考えすぎで不器用

「それは恋愛に限らない。友達同士とか、上司と部下といった人間関係もそう。双方の思いに差があるということに興味がある」

登場するのは考えすぎの不器用な男女ばかり。「パンとバスと2度目のハツコイ」(18年)の主人公は結婚前、ずっと好きでいられるか、相手も好きでいてくれるかわからないと悩む。

「考えすぎると、誰とも結婚できないし、つきあえない。答えのない問いみたい。それは映画の主題になる。どこまで行っても答えがない物語にひかれる」

「例えば『告白する』というエチュード(即興劇)をやると、告白がうまくいくとそこで話が終わっちゃう。うまくいかない方が面白い。オレの映画のぐだぐだした登場人物たちは、常識人が出てきたら一瞬で全員が蹴散らされてしまう」

主人公が成長するという王道の物語に疑問をもつ。

「成長しない方が、自分のうまくいかなさが肯定される。成長する物語って、その瞬間は勇気をもらえるが、結局自分の人生はうまくいかず、登場人物と自分は別だ、となっちゃう」

「ただいるだけで肯定したい。どんな生活をしていても、だらだらしていても。それが当たり前に存在し、誰もとがめず、許容する。その許容の範囲を広げていくことは意識している」

解決させるのは嫌

ぐだぐだの恋愛劇を続けるのは「解決しないから」。

「解決させるのが何で嫌かというと、映画の終わりと共に登場人物も終わってしまう気がするから。成長や達成で終わると、その人たちの人生が続かない」

キラキラと呼ばれる恋愛モノではなく、実生活に近い恋愛モノをつくりたい。

「決めぜりふは書かない。普段口にしない言葉は避ける。芝居はやらなくていい。重要なのは現実に近いかどうか。そこらにいる人に見える芝居であってほしい。大きな出来事が起きない物語、日常劇はまだつくれる」

「例えば20代前半の女性に向けてとか、そういうターゲットって疑わしい。人はそれぞれだから。個々人に向けて、具体の1人に向けて語る方が物語に強度が出て、多くの人に届く」

実体験も盛り込む。「メロウ」で別れ話を切り出された女の捨てゼリフ「私より好きな人、一生できないと思う」は学生のころ彼女に言われた言葉だ。

「その言葉が呪縛のようにのしかかっている。ずっと好きでいてくれると勘違いして、その言葉に縛られていたけど、彼女にはサクッと新しい彼氏ができた」

「実体験での言葉を入れた方が強度が出る。見ている人に『そんな人いないよ』と言われても、『いや、いたよ』と言える。作り物の感じが現実に近づく」

「恋愛経験が豊富だからと勘違いされるけど、実は真逆。少ないから言われた言葉をすべて覚えている」

(編集委員 古賀重樹)

 いまいずみ・りきや 1981年福島県生まれ。監督作に「こっぴどい猫」(12年)、「サッドティー」(14年)、「知らない、ふたり」(16年)、「アイネクライネナハトムジーク」(19年)など。新作「his」(24日公開)、「街の上で」(5月1日公開)も控える。

[日本経済新聞夕刊2020年1月21日付]

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