ココナッツサブレを再生 特売扱いから定番に昇格日清シスコ 伊藤智樹さん

日清シスコの伊藤智樹さん
日清シスコの伊藤智樹さん

日清食品グループの日清シスコ(東京・台東)で主力商品といえば「ココナッツサブレ」に「チョコフレーク」。営業企画部長の伊藤智樹さん(50)はスーパーで特売扱いが多かったココナッツサブレを「再生」させた人物の一人だ。いつも棚に並んでいる定番品に格上げさせ、担当した店舗での売り上げを10倍以上に伸ばした実績をもつ。

「発売から40年以上のロングセラー商品が、どうして売り場に並んでいないのか」。2008年、大手量販店向けの営業を担当する広域営業部に配属された伊藤さんが最初に感じた疑問だ。

40年商品には理由

ココナッツサブレといえば、日清シスコの看板商品。1965年に発売し、中高年以上なら誰もが口にしたことがあるはずだ。だが08年時点で、大手量販店の売り場のカバー率は15%と、取り扱っていない店舗の方が多かった。

背景には日清シスコ側の営業戦略もあった。競合する他の菓子メーカーに対抗するため価格訴求に走っていた。要は「安売り」だ。スーパーに集客の目玉となる特売品としてココナッツサブレを売り込む。折り込みチラシに載れば、消費者の手も伸びやすい。

半面、店頭に並ぶ期間はセール中などに限られ、一度買った消費者が次に来店したときには棚にないというケースも出てくる。伊藤さんは店に行けばいつもある定番品として扱ってもらうことを、自身の営業目標に据えた。

「40年以上も続く商品には売れる理由がある。おいしさや安心感が消費者に認められているとの自信はあった」

最初の一歩は店のバイヤーに商品のよさを伝えることだった。「日清シスコといえばサブレ」という同社の社員の認識と、バイヤーの感覚にはズレがあった。中にはココナッツサブレを食べたことがないバイヤーもいたという。

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