やけど、鉄則は服脱がず水で冷やす 高温の煙は窒息も

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暖房器具を使い、鍋物など熱い汁物を食べる機会が増える冬は、やけどへの注意が欠かせない。応急処置の方法や、その後の手当てで気をつける点など、正しい知識を身につけ、万が一の時に備えたい。

冬に気をつけたいのが暖房器具などによる低温やけどだ。杏林大学医学部付属病院(東京都三鷹市)熱傷センター長の山口芳裕氏によると「44度の熱源に3~6時間接触し続けることで皮膚の深いところが損傷される」という。

就寝中に湯たんぽ、電気あんか、使い捨てカイロなどに長い時間触れることで低温やけどを負うケースは少なくない。「ファンヒーターの前やホットカーペット上でのうたた寝も危険」と山口氏は注意喚起する。

やけどは、熱によって皮膚や粘膜が損傷する状態を指し、皮膚の損傷の深さによって1~3度に分けられる。皮膚は表面から順番に表皮、真皮、皮下組織の3層でつくられており、0.2ミリ前後の表皮までの損傷は1度、数ミリ程度の真皮までは2度、皮下組織にまで深く達するものは3度となる。

1度や真皮の浅い層までの2度なら自然に治り痕もほぼ残らないのが一般的だ。しかし、2度のうち真皮の深い層に達するものや3度は重症となることもあり、医療機関での治療が欠かせない。

低温やけどは深い層まで進行していることが多く、痛みを伴わないまま3度の重症になることがある。祖師谷皮ふ形成クリニック(東京・世田谷)院長の川手浩史氏は「皮膚のただれで受診する高齢者に、知らない間に低温やけどを負っていた例も多い」と指摘。皮膚感覚が鈍くなる高齢者は特に注意が必要だ。

やけどの多くは皮膚で起きるが、火事などで高温の煙を吸い込むと、気道の粘膜が損傷する。やけどの重症度は深さだけではなく、範囲、部位、年齢などでも変わる。成人では2度の場合、体の表面積の15%以上、3度なら2%以上のやけどであれば救急搬送し入院して治療する必要がある。小児や高齢者では、これより小範囲でも入院の対象となることもある。

また、顔面、手足、会陰部などは慎重な対応が欠かせない。山口氏は「顔に炎を浴びる、高温の煙を吸い込むなどした際は、呼吸困難を起こし窒息の可能性もあるので救急搬送を」と注意を促す。