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キリンビールの布施孝之社長

キリンビールの布施孝之社長

縮小が続くビール市場でキリンビールが元気だ。久々のヒット商品となった第三のビール「本麒麟」が好調を持続し、ビール類全体でシェア首位のアサヒビールに肉薄する。派生商品を広げず、「一番搾り」をはじめとする主力ブランドに絞ったマーケティングが実を結び始めた。布施孝之社長は「2020年も前年比プラスが目標。変革・改革を続ける」と力強く宣言する。

――本麒麟が依然好調ですが、サントリービールの「金麦〈ゴールド・ラガー〉」にシェアを食われていませんか。

「まぁ影響がないといったら嘘になりますけど、(キリンが販売計画を上方修正した)数字が物語っていますのでね」

昨年新ビール0 変革は現場主役

――赤い缶で「過去10年の新商品で売上No.1」という宣伝文句も似ていますよね。

「確かに同質化競争ですよね。いいものがでればミートゥー商品がでる。これをずっとやってきた業界なので。うちは昨年、ビール類で新商品がないんです。他社が本麒麟包囲網で対抗商品をいろいろ出してくるなかで、私たちはリニューアルでブランドを育成するというマーケティング手法でやりました」

「昔のキリンは本当に小手先、目先でいろんな派生商品を数字稼ぎでやってきましたが、それを大きく変えた年なんですよ。新商品がない中での前年比プラスは、会社の組織能力が明らかに変わってきたからです」

――新商品がなくてどう頑張れたのですか。

「僕たちはゆでがえるのように長期的な負け戦の中にいるよね、ブランド戦略でも一貫性がなかったよねと言ってきました。全社で膝詰めで対話して危機感と反省の共有をしました。お客様のことを一番考える会社。極めて当たり前なんですが、それまでは会社都合が優先されていました。本社と現場の関係でいうと現場が主役なんだという組織風土に変えました」

「変革の押しボタンは絞りの効いたマーケティングです。ブランドを絞った成果のあらわれだと思います」

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