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店内でパフェやアルコール楽める紀ノ国屋 品質が自慢

日経MJ

店内で販売しているフルーツを使ったパフェなどを提供する
店内で販売しているフルーツを使ったパフェなどを提供する

高級スーパーの紀ノ国屋が11月、「Gourmand Market(グルマンマーケット) KINOKUNIYA 渋谷スクランブルスクエア店」(東京・渋谷)を開業した。店内で販売している商品を使ったパフェやアルコールを提供するカフェコーナーを設けた新業態店だ。商品を気軽に楽しんでもらうことで、若い世代など新たな顧客層を開拓する。

食いしん坊や食い道楽といった意味を持つフランス語を店名に冠した同店の特徴は店内に設けたカフェ&バー「グルマンステーション」。店内で販売する商品を使ったデザートやドリンクを提供する。「季節のフルーツパフェ」(1980円)や「ミックスフルーツサンドケーキ」(550円)、ノンアルコールの「サングリア」(660円)など、店内のフルーツを使ったものが多い。

果物商としてスタートした紀ノ国屋はフルーツの品質に強みを持つ。50~60歳代を中心とした顧客層の厚い信頼を得ている一方、「高くて入りにくいイメージが成長の妨げになっている面があった」(高橋一実副社長)。グルマンステーションの設置は、気軽にフルーツを食べてもらうことで、品質をアピールしながら来店のハードルを下げる狙いがある。

テークアウト対応メニューでは流行のタピオカを使ったも提供している。「グルマンステーションを集客装置として活用していくため、メニューもどんどん新作を投下していく」(高橋副社長)戦略だ。

売り場面積452平方メートルのうち62平方メートルをグルマンステーションに割いており、カウンターとテーブルを合わせて25席ある。ベーカリー併設の休憩スペースを含めると全部で40席を用意している。開店以来、昼以降は席のほとんどが埋まる状態がつづいているという。

渋谷駅直結で様々な客層が訪れるグルマンマーケット。売り場も幅広い客層を意識した商品構成となっている。

「柚子(ゆず)緑茶」や「棒ほうじ茶」など30種類以上の様々なお茶が500円前後の小容量パックで手軽に試せる「茶のみ仲間」シリーズはグルマンマーケットの開業を機に取り扱いを始めた。オフィスや手土産での需要を想定している。

酒は400種類以上を用意。特に日本酒を多めにそろえることでインバウンド(訪日外国人)需要にも対応した。購入した酒は抜栓料1000円でグルマンステーションで飲むこともできる。グルマンステーション近くに酒や菓子、カットフルーツを並べることで新コーナーと売り場の相乗効果を生み出す配置を意識した。

今後はサービスも進化させていく。渋谷スクランブルスクエアはファッションや雑貨店など様々な店舗が出店するが、これまでスーパーは荷物を持って歩くのを敬遠して、最後に立ち寄ることが多かった。1月までに、買った商品を自宅に配送するサービスを始め、タイミングを選ばず来店してもらえるようにする。

ベーカリーでは紀ノ国屋伝統の硬めのパンに加えて、ふわっとやわらかく、甘さが特徴のパンも多くそろえる。クロワッサンなどの定番商品もリニューアルした。高橋副社長は「グルマンマーケットでこれからの紀ノ国屋を見てほしい」。と新業態の成功に自信をのぞかせる。

(伊神賢人)

[日経MJ2019年12月25日付]

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