ルームサービス届けます 働くロボ、身近な場で活躍

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もう1つの重要な役割がゴミ箱の点検。熱画像センサーを内蔵したアームが搭載されており、ゴミ箱の前に来たら立ち止まって箱の上にアームを伸ばし、発熱の有無をチェックする。テロや火災を未然に防ぐのが目的だ。

導入を決めた理由について成田国際空港会社の担当マネージャー、阿部英崇さんは「ロボットの活用で警備員不足をカバーするため」と話す。人目を引くことで警備に力を入れていることをアピールし、犯罪抑止の効果も狙う。

活躍の場は商業施設の清掃にも広がる。ダイバーシティ東京プラザ(東京・江東)は昨年4月、3~5階の夜間清掃に箱型清掃ロボット「CL02」を導入した。3次元カメラなどを使い壁や障害物を避けながら、床の細かなゴミを吸い込む。夜間、清掃現場を見学したが、自走しながら黙々とゴミを吸い込む姿がけなげで、いとおしくなった。

夜間、自動運転しながら清掃するロボット。スタッフは壁などの清掃に専念できる(東京都江東区のダイバーシティ東京プラザ)

導入理由はやはり人手不足。人が操作する搭乗式清掃機でこなす作業を無人化できる。通路の隅や壁面、トイレなどの清掃は今まで通り人が担うため、人員を丸々減らせるわけではないが、「ロボット稼働中、スタッフは別の作業ができ、業務効率が上がる」と三井不動産商業マネジメントの安藤誠さんは話す。

単純作業が多い製造業に比べ、臨機応変さが求められるサービス業ではロボットの普及は出遅れた。人手不足が進むなか、技術革新や人工知能(AI)の進展で、多様性にも対応できるロボットが登場しつつある。今はまだ珍しい存在だが、日常生活に溶け込むのは時間の問題だろう。

サービス業の貴重な「人手」に

サービス型ロボット市場は右肩上がりで拡大している。調査会社の富士経済(東京・中央)によると、物流や医療・介護などの分野を含む業務・サービス型ロボットの世界市場は2018年が1兆7千億円超。17年より約4割増えた。25年には18年の約2.6倍の4兆5千億円強に達する見込みだ。

このうち業務用清掃ロボットは、18年の38億円から25年には120億円と約3.2倍に急増すると予測されている。人手不足や人件費の高騰で今後、日本でもサービス型ロボットは急速に普及しそうだ。

(高橋敬治)

[NIKKEIプラス1 2019年12月21日付]

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