テーマごと小部屋、スマホ空間イメージ ラブレス青山

日経MJ

2019/12/18

三陽商会のセレクトブランド「LOVELESS(ラブレス)」が11月末、東京都港区に再開業した。もともと東京メトロ・表参道駅付近の高級ブランドが並ぶ地域にあったが、若い世代が多く集まる場所に移転。買い付ける商品の半数を刷新し、流行に合わせるようにした。誕生から15周年の節目にブランドのあり方を見直し、新たな顧客を開拓する。

白壁に大きな窓を設置し、開放感を出した

若い世代が多く集まる場所に移転

「ブランドが時代とマッチングしなくなってきていた」。三陽商会セレクトショップビジネス部の並木君典部長は、ブランド見直しの狙いを話す。旗艦店「ラブレス青山」の移転先は表参道駅から徒歩3分ほどで、ユナイテッドアローズなどのセレクトショップが軒を連ねる。

以前は高級ブランドが立ち並ぶ地域に立地していた。ただ、そもそも若い世代があまり立ち寄らない地域であるだけでなく、高級感のある店構えや雰囲気から、入店もしづらかったとみた。そこで、まず移転で気軽に立ち寄れるようにした。

入りやすさを意識したのは、立地だけではない。「THE NEW TIME」を新テーマに掲げ、ブランドの代名詞であった薄暗い洞窟のような店作りはあえて避けた。約400平方メートルの店内には大きな窓を設け、外観は白を基調に壁や階段には鮮やかな黄色を使い、明るい雰囲気にした。

スマホ画面をスワイプしていくような感覚

店内には小部屋を作り、それぞれスポーツスタイルや女性らしいスタイルなどのテーマに沿った内装を施した。部屋を移動するごとに、まるでスマートフォンの画面をスワイプしていくような感覚になるようにした。

品ぞろえも大幅に変えた。海外ブランドに加え、米リーバイスのビンテージモデルやセレクトショップで取り扱うイタリア・ミラノの「SAMUELE FAILLI」の靴などもそろえる。

男性向けでは40ブランドのうち新たに16ブランドを導入した。「気張った服から肩の力が抜けたおしゃれ」(並木氏)へと流行が移っていることを意識したという。

従来は半年に一度のペースで商品を入れ替えていたが、今後は月に一度に改める。客が頻繁に来ても新鮮な感覚を味わえるようにして、来店頻度をさらに高める。

ラブレスは2004年に生まれた。当初は暗い店内に豪華なシャンデリアをつり下げるという独特な世界観で、百貨店ブランドのイメージを覆して話題を集めた。日本だけでなく海外ブランドも買い付ることで来店客を増やしてきたが、近年は競合する本家のセレクトショップなどに客を奪われつつある。

競合ひしめくなか「ラブレスらしさ」をいかに伝えられるかが勝負を分ける。

(勝野杏美)

[日経MJ 2019年12月18日付]

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