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名探偵は霊媒師やAI 異色キャラが挑む本格ミステリー

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NIKKEI STYLE

事件の謎解き、トリックが主題の本格ミステリー小説。令和の名探偵は霊媒師や根暗な学生、ついには人工知能(AI)まで登場し、まさに百花繚乱(りょうらん)だ。多彩なキャラクターが物語の世界を広げる。

「本格ミステリーが好きな人も読み慣れていない人も、どちらも楽しめるはず」

「このミステリーがすごい!」「本格ミステリ・ベスト10」など、2019年のミステリーランキング3冠に輝いた相沢沙呼(さこ)の話題作「medium」(講談社)。霊能力で犯人の姿を探る女性、城塚翡翠(じょうづかひすい)が探偵役だ。翡翠が語る死者の言葉を立証すべく、ワトソン役の推理作家、香月史郎がロジックを構築し、犯人を追い詰めていく。

「泡坂妻夫さんの『奇術探偵 曾我佳城(そがかじょう)』が発想のきっかけ」と相沢。トリックの名手として知られた泡坂は09年に鬼籍に入ったが「憧れだった先生のキャラクターを引き継げたら」との思いがあった。

佳城は若くして引退した女性奇術師で、静かに真実を見抜き事件を解決する。一方、超常の能力を持つ翡翠は「精緻な西洋人形のように美しい娘」で妖しい雰囲気を漂わせながら、おっちょこちょいな「ドジっ子」でもある。ライトノベルに登場するような現代的な二面性を持つヒロインだ。

ラノベの影響も

相沢はミステリー作家としてデビューする前はラノベを書いていた。「人物造形がリアルだと、逆に読みにくいと感じる若い読者が多い」と指摘。リアルさとキャラクターの個性のバランスを重視する。

「異能の探偵が登場したり、超常的な空間が展開したりする『特殊設定ミステリー』が増えている」。そう話すのはミステリー評論家の千街晶之氏だ。山口雅也「生ける屍(しかばね)の死」など、1980年代後半から受け継がれてきたスタイルだが「近年は異世界を扱ったラノベなどと相互に影響を与えている」とみる。

本格ミステリーのトレンドとしてもう一つ、千街氏が挙げるのが「日常の謎と学園ミステリーの融合」だ。「日常の謎」とは身の回りのささやかな謎を解く推理小説で、北村薫、加納朋子らが代表的。00年代に、米澤穂信が思春期の主人公らの心の揺れを織り込んだ学園ミステリーと、日常の謎を掛け合わせて人気を博し、流れをつくった。

現代的な人物造形

そんな「日常の謎×学園ミステリー」の王道にして、異色の探偵が活躍するのが似鳥鶏(にたどりけい)の「目を見て話せない」(KADOKAWA)だ。傘の持ち主やパソコン窃盗犯を推理する藤村京は大学1年生。会話が苦手な「コミュ障」だと自嘲している。

キャンパス内の問題を解決しながら、京は少しずつ成長していく。「考え過ぎるコミュ障は探偵に向いている」という似鳥。現代的な人物造形が物語に奥行きを与えている。「京はコミュ障ゆえに現場検証や聞き込みができない。だからこそ、ワトソン役の同級生とのバディ(二人組)関係が面白く描ける」

現代らしい究極のキャラクターといえそうなのが、人ではないAI探偵だ。早坂吝(やぶさか)が18年に出した「探偵AI(アイ)のリアル・ディープラーニング」と、19年9月発行の続編「犯人IA(イア)のインテリジェンス・アンプリファー」(ともに新潮社)は探偵と犯人がどちらも人工知能という奇想天外な設定。探偵AIは助手役のスマホに組み込まれて現場に向かい、事件を解決する。

早坂はAIの専門家ではない。出版社からキャラクター色の強いミステリーを依頼されて、生み出したという。「自分はキャラよりも推理を重視しているが、結果的に、新たなミステリー小説の鉱脈を発見した」と話す。

相次ぎ誕生する異色のキャラ探偵たち。彼らが挑む難事件には、やはり常識を覆すようなトリックやロジックが登場する。本格ミステリーの楽しみを大きく広げてくれるトレンドになりそうだ。

(桂星子)

[日本経済新聞夕刊2019年12月17日付]

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