増える紙袋の整理法 残すのは大中小に分け3枚ずつ
買い物や贈り物などで増える紙袋や箱。保管するだけでもスペースを取る。一度、思い切って整理してはいかが。取捨選択のコツや、上手な保管方法を教わった。
衣類やスイーツを買ったり、手土産や贈り物でいただいたり。紙袋や空き箱は「いつか使うかも」「きれいだからもったいない」とためる人も多い。しかし、数が多くなるとスペースが占領される。
「大きな紙袋や段ボールに詰め込まれ納戸や押し入れの奥、シンクの下などに押し込まれていることが多い」と話すのは整理収納アドバイザーの中山真由美さん。
訪れる家庭で大量の紙袋の片付けをしている。「増えすぎて収まり切らずリビング、廊下とあちこちに置かれていることも多い」という。
3サイズに分類 3~5枚を保存
しかも、紙は劣化する。ぎゅうぎゅうに詰め込んだ状態で、暗くて湿気が多い場所やホコリをかぶる場所に置いておくと、カビが生えることもある。「紙類を好むシミ(紙魚)という虫が発生することも。衛生面からも、紙類はためこまずに処分したほうがよい」と中山さんはアドバイスしている。
年末に向けて片付けをする予定があるなら、いらない紙袋や空き箱も一気に整理し、処分するといい。
まずは、家の中に眠る紙袋をすべて出してみよう。取捨選択をスムーズに進めるために、処分するものと取っておくもののルールを決める。
汚れたり色あせたりしているものは迷わず処分する。「すぐにまた、受け取れるような紙袋も取っておく必要はない」(中山さん)
取っておくものを先に決める方法もある。「好きなブランドやデザインの袋などから選んでいくといい」と話すのは美的収納プランナーの高島信子さんだ。
取っておく紙袋は自分の中で「大、中、小」の3サイズに分類し、それぞれ持つ枚数を決める。心配なら各サイズ10枚ぐらいから始めてもいいが、中山さんは取っておく枚数の目安としては「各サイズ3枚か、5枚ぐらいで十分」という。
このとき、「いつ、誰が、何のために、何を、どの大きさの袋に入れるのか」を考えるのがコツだ。「具体的な使い道がイメージできないものはまず使わない。処分しても困らない」と中山さん。
例えば、「手作りのお菓子を人にあげることが多い」なら、上質の紙を使った小さめな袋が必要だろう。
紙袋をくず入れにして使い、そのままゴミの日に捨てるという人もいるかもしれない。その場合も週1回の収集日に1枚使うなら、1カ月で4枚必要になるので、2カ月分の8枚を取っておくなど、枚数の上限が決まっていく。
保管した紙袋は機会あるごとに見直したい。増えすぎたら、最初に残すと決めた枚数も減らせばいい。また、新しい紙袋が来たら入れ替えてもいい。そうすると、一定数を保てるようになってくる。
保管方法も再考しよう。紙袋は3サイズを1つにまとめ、丈夫で大きな紙袋や書類ケースなどに入れる。置いておくのは風通しがよく、廊下収納やクローゼットなどホコリが積もらず、取り出しやすい場所がおすすめだ。
丈夫な素材なら リメークの手も
空き箱も紙袋と同様。使い道がイメージできないものは処分する。ただしゲームソフトのように箱が保証書を兼ねているものは誤って捨ててしまわないように注意したい。
買ったときの靴が入っていた紙箱をシーズンオフの靴入れとして使う人もいるだろう。しかし、中山さんは「そもそも紙箱は汚れと湿気を帯びやすく、不衛生。通気口のあるプラスチック製のボックスを使った方がいい」という。
もちろん、紙袋も箱も、利用法は多々ある。丈夫でデザインの良い紙袋はサブバッグ以外に、収納ケースにリメークする方法がある。持ち手と上部の二重になった部分を切り取り、袋を内側に折り込む。
引き出しの仕切りや小物の整理に使えるほか、「ぴったりサイズの収納ボックスを見つけるための、仮収納として使える」(高島さん)。好きなブランドの箱は「大切なものを入れて使えばいい」。
いずれもブランド物で、状態がよければネットオークションで売れることもある。
取っておくなら放置せず、きれいに管理し、役立てよう。
(ライター 奈良 貴子)
[NIKKEIプラス1 2019年12月14日付]
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