カーテンを洗う つけ置きで汚れ確認、粉末洗剤お薦め
洗濯家 中村祐一
今年も大掃除の季節が近づいてきた。今回はカーテンの洗濯について書いてみたい。カーテンはさほど頻繁に洗うものではないため、年に一度洗うかどうか、という人も多いのではないだろうか。
まずはカーテンからフックを取り外し、洗濯中に欠けたり壊れたりするのを防ぐ。カーテンを洗う前には、ほつれや傷みなどないかどうか、必ず確認してほしい。紫外線で生地がかなり弱っているカーテンは少なくない。傷んでいる箇所が洗濯によってさらに大きくなる可能性が高く、生地がボロボロになってしまうものもある。
カーテンには汚れが相当蓄積している可能性がある。洗い出す前に一度、洗剤液でつけ置きをしてほしい。下洗いすることで、汚れをあらかじめ少なくしてから洗濯機に入れよう。掃除機などで表面のホコリなどを吸ってから洗濯機に入れてもよいが、つけ置きの方が手間がかからず、洗い上がりもよりスッキリするはずだ。
カーテンの洗濯には液体の中性洗剤を使うとよい。おしゃれ着用洗剤であれば幅広く対応可能だ。汚れのひどいものやレースのカーテンには、粉末の酸素系漂白剤や粉末洗剤をおすすめする。ただし、シルクなど動物性の繊維を使っているカーテンに粉末洗剤は不向きだ。
下洗いをしたら、カーテンを洗濯ネットに入れて洗濯機に入れる。ネットは目の粗い方が汚れがしっかり落ちる半面、生地に優しいのは目の細かいネットだ。汚れ具合や素材の種類を見て、ネットの目の細かさを選ぶとよい。
つけ置きで汚れがそれほど多く出なければ、洗濯機では軽く洗って、すすぎに移るくらいの洗い方でよい。つけ置きの水が黒くなるほどかなり汚れている場合は、洗剤を入れて、洗濯機でもう一度しっかり洗うとよいだろう。
カーテンにアイロンをかけるのはなかなか大変だ。脱水時にできるだけシワが付かないように注意したい。脱水時間は1分前後に設定し、洗濯機が止まった後にカーテンを確認しよう。
脱水が足りないようであれば、いったんカーテンを洗濯槽から取り出してほぐした後、追加で1~2分脱水するとよい。こうすると、余計なシワが付かずに水が絞れる。干す時はカーテンレールにそのまま戻してつるすとよいだろう。
自分で洗うのが難しい場合、カーテンの取り外しからクリーニング、取り付けまでしてくれるクリーニング店などもある。近くの店に問い合わせてみよう。ただ、クリーニング店も年末は混むので、今のうちから早めの依頼を予約しておくと、混雑を避けられる。
日ごろなかなか洗わない大物を洗濯して、さっぱりと気持ちよく新年を迎える準備をしたい。
1984年生まれ。クリーニング会社「芳洗舎」(長野県伊那市)3代目。一般家庭にプロの洗濯ノウハウを伝える「洗濯家」として活動。「洗濯王子」の愛称でメディア出演も。
[日本経済新聞夕刊2019年12月3日付]
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