我が家のクリスマスツリー 飾り少なく大人の雰囲気
クリスマスツリーが華やかな季節。毎年、同じツリーに同じオーナメントを飾り、代わり映えがしないなど、マンネリ感に悩む人もいるのでは。我が家のツリーをより楽しむポイントについて、専門家に聞いた。
街のツリーは豪華なものが多い。ホテルや百貨店などの広い空間では映えるが、家の中で再現しようとすると圧迫感が出ることも。「家庭のツリーは飾り過ぎていることも多いのでは」と話すのは、東京都内でテーブルコーディネートやフラワーアレンジメントなど、おもてなし教室を主宰する斎藤みずほさんだ。
テーマを決めて飾りを選ぶ
毎年、少しずつオーナメントを買い足す人もいるだろう。手持ちのものを全て飾り付けたくなるが、「使うもの、使わないものなど、飾るものを選ぶことが大事」という。
事前に飾り付けのテーマを設定すると選びやすい。テーマが決まると、オーナメントを選ぶ基準ができる。今年のツリーはどうするか、家族で考える時間も楽しめる。
まず考えるのは、誰と楽しむツリーなのか。夫婦なのか、子供たち向けなのか、それとも自分好みにするか。「今年の出来事を思い出しながら考えるとよい」という。
テーマが決まれば、基調にするカラーが決まる。大人が楽しむツリーなら、くすんだ色合いにすると落ち着いた雰囲気に。飾りは3色以内にするとバランスが良くなるという。小さな子供向けや豪華さを出したい場合も、5色までだとまとまりがでる。
例えば、斎藤さん宅の今年のテーマは「巣立ち」。大学を卒業し、社会人になる息子がいる。家族全員で楽しむツリーとしては最後かもしれないとの思いもあり、ブルーやシルバーの大人っぽい色を基調にした。
オーナメントの数はツリーの表面積の2割くらいに抑えると枝葉の緑に映え、洗練された印象に。気に入ったものをあれこれと飾りがちだが、「少ないかな」と思うくらいがちょうど良いとのこと。
下準備で欠かせないのが、ツリーの枝を丁寧に広げる手順。斎藤さんは「ここでひと手間かけるだけで古いツリーが生き返る」という。枝と枝の間に空気を入れるようにしっかりと広げ、外形を整える。作業時に手袋を着用すると手の保護に加え、枝に絡まったホコリも取れる。
そして飾り付け。オーナメントは、サイズの大きいものから飾り始める。上部に集まると重く見えるので下から上へジグザグに飾るのがコツ。その後、隙間を埋めるように小さなものを飾っていく。
このとき、ツリーから少し離れた位置に立って、全体のバランスを確認しながら飾っていく。夢中になると、全体を見るのを忘れてしまうからだ。確認し、修正しながら進める。飾る前に簡単な設計図を描いておくのも有効だ。
むき出しの根元 布で覆い高級感
見落としがちなのがツリーの根元の部分。布などで覆うだけで高級感が出る。家にある箱をプレゼント風にデコレーションして置くと楽しい。
ツリーの先端は星が定番だが、ワイヤ入りのリボンを結んで垂らすとマンネリ感が解消でき、大人っぽくなる。
また、高さ1メートルくらいまでのツリーは出窓やキッチンカウンターなどに載せて飾るのがおすすめ。高さが出て見栄えがよくなる。
そして斎藤さんが提案するのが「我が家らしさ」の演出だ。例えば、旅行先で買った小物や、子供のお気に入りのおもちゃ、趣味にちなんだモチーフを飾る。「ひとりがひとつ、隠しアイテム的に飾ることで我が家のツリーになり、会話が生まれる」。斎藤さんもツリーに、幼い頃の息子の思い出の靴を飾った。
スペースを取るため、ツリーは飾らないという家庭もあるだろう。LEDライト内蔵のクリスマスアイテムなどを使えば気分は十分味わえる。東急ハンズ新宿店の田中耕介さんは「場所を取らない小型のものも多く、手軽に楽しむのに最適」と話す。スノードームや雪だるま、ツリーの形の飾りなどは照明を落とすとLEDの光が反射し、存在感がある。
飾るときのポイントは「ツリーのように三角形を意識すること」(田中さん)。背の高いアイテムを中心に、周りに小さなものを並べるとまとまる。「ひとつ主軸になるものを買って、手持ちの小物を組み合わせてもいい」とアドバイスする。
(ライター 李 香)
[NIKKEIプラス1 2019年11月30日付]
ワークスタイルや暮らし・家計管理に役立つノウハウなどをまとめています。
※ NIKKEI STYLE は2023年にリニューアルしました。これまでに公開したコンテンツのほとんどは日経電子版などで引き続きご覧いただけます。