地域アート展、なぜ全国で盛ん? 「コト消費」に期待

瀬戸内国際芸術祭にはアジアからの視察団も(香川県の男木島)
瀬戸内国際芸術祭にはアジアからの視察団も(香川県の男木島)
●ここ10年で盛んになり現在は100カ所に
●美術館だけでなく街なかに作品を展示
●観光、再開発に加え人材育成の効果も

「瀬戸内国際芸術祭」「横浜トリエンナーレ」など地域アート展が全国で盛んです。美術館のほか広場、商店街、民家などを展示に活用し、国内外から観覧者を集めています。なぜいまこうした場が人気を呼び、自治体も熱心に取り組むのでしょう。消費太郎さんが石鍋仁美編集委員に聞きました。

太郎さん 街や地域の名がついたアートイベントの話題を最近よく聞きます。

石鍋さん 地域アート展やアートプロジェクトと呼ばれる催しですね。代表格の「瀬戸内国際芸術祭」は3年ごとの開催で今年が4回目。島々に200を超す作品が点在し、11月4日の閉幕までに過去最大の117万人が訪れました。私も見に行きましたが、国内外からの観光客、地元の人、案内のボランティアなどで大変なにぎわいでした。

よそで仕上げた作品を単に自然の中に置くのではなく、廃屋を改造し過疎を表現した空間をつくるなど、場所と結びついた作品の多さが特徴です。地域アート展は2000年代に入ってから増え、今や開催場所は70カ所とも100カ所とも言われています。

太郎さん なぜ広がっているのでしょう。

石鍋さん 入り口は観光です。消費者の志向が「モノ」から「コト」へと移り、美術でもイベント体験が関心を集め始めました。美術界で場所や観客との関係全体を作品と見なす「関係性の美学」が注目されていることも、地域アート展を後押ししています。

長い目でみた地域振興にもつながります。横浜市の「黄金町バザール」は違法風俗店を一掃した高架下一帯で毎年開く展示会です。ふだんも創作家が拠点を構え、街の空気は一変しました。海外でもアートによる都市活性化は盛んですね。

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