20年春の大学新学部50超 地域やAIに強い学生を育成

2019/11/13付
神奈川大が開設する「みなとみらいキャンパス」(完成予想図)=同大提供
神奈川大が開設する「みなとみらいキャンパス」(完成予想図)=同大提供

全国の大学で新学部の開設が相次いでいる。2020年4月には50以上の学部が新設される見込みだ。グローバル化やAI(人工知能)に対応するため、「国際」「情報」「科学」などを名称に冠する傾向が強い。18歳人口は今後も減る見通しだが、各学部は他にはないカリキュラムを押し出し、受験生の獲得に懸命だ。

大手予備校の河合塾の調査によると、20年4月予定の新学部(改編や申請中を含む)は前年比1つ増え54となった。60台が続いた16~18年に比べ増勢はやや鈍っているものの、水準は高い。各大学は既存の学科などを活用しつつ、新学部の魅力をアピールする。

神奈川大は「国際日本学部」(募集定員300人)を新設する。グローバル人材の育成に取り組む大学は多いが、「国際の視点と日本を見つめる視点の2つで構成した」(設置準備委員長の坪井雅史教授)。英語による授業が中心の「国際文化交流学科」のほか、日本の文化や歴史を学ぶ「日本文化学科」と「歴史民俗学科」を設ける。

同学部は「横浜キャンパス」(横浜市神奈川区)でスタートするが、21年4月に「みなとみらいキャンパス」(同市西区)に移る予定。同地区にある企業や国際機関、地域住民らともフィールドワークなどで連携する。

県立広島大の新学部は「広島キャンパス」内に開設=同大提供

徹底的な地域密着を打ち出すのは、県立広島大の「地域創生学部」(同200人)だ。広島県の自然と大都市、中山間地域をフィールドワークの舞台に「地域の課題を解決し、地域創生を担う核となる人材育成を目指す」(同大)という。

AIやビッグデータの技術進展を受けた新学部も相次ぐ。

長崎大の「情報データ科学部」(同110人)は、工学部内にあった情報工学コースをベースに、数学・統計学や医療生命・社会観光分野のデータサイエンス教育研究を加える。情報系新学部創設準備室長の西井龍映教授は「情報科学による課題解決力と、データを分析して価値を創造する力を育成する」と話す。

龍谷大の「先端理工学部」(同580人)は学部内に6つの「課程」を設ける。横断的に先端技術を学ぶ25のプログラムを組み、全ての課程でAIを学ぶことができる。

女子大では学生のキャリア志向に対応した動きが目立つ。共立女子大の「ビジネス学部」(同150人)は、経営・マーケティング・会計・経済の4分野を中心にカリキュラムを組む。植田和男学部長は「女性が様々な組織で活躍するための基礎能力を育てる」と強調する。

武庫川女子大の「建築学部」(同85人)は、女子大で初めて「建築」の名称を学部に付け、「最新の景観映像や地理情報処理技術を建築学と融合させる」(同大)という。女性が社会で即戦力として活躍できることを目的にカリキュラムを組む「経営学部」(同200人)も新設する。

大学統合へ向けた動きとしても注目されるのは、宇都宮大と群馬大が共同で新設する「共同教育学部」(募集定員は大学別で宇都宮大170人、群馬大190人)だ。卒業単位のうち、31単位を双方向の遠隔システムを利用した授業にする。小学校教科に強い宇都宮大と中学校教科に強い群馬大の特長を相互に生かし、データサイエンスやグローバル化に即した授業科目も設ける。

専門性などを高めるため既存の学部を刷新する動きもある。成蹊大は「経営学部」(募集定員290人)の新設とともに、既存の「経済学部」(同230人)を「高い数学能力が必要な経済数理学科とフィールドワーク重視の現代経済学科の2つに分けた」(同大の北川浩学長)という。

[日本経済新聞朝刊 2019年11月13日付]

学生参加型コミュニティ 登録受付中
メールマガジン登録
Mirai アーカイブズ