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AI、人の感性を詠む 俳句大会や短歌の専門誌に挑戦

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NIKKEI STYLE

人工知能(AI)による俳句や短歌といった短詩型文学の創作が始まった。俳句大会に出場し、専門誌でも作品を発表。AIが最も苦手とする人の感性の領域に踏み込むだけに、試行錯誤が続く。

「人が情景を見て感じたことを言葉にするように、写真を認識して俳句を作る」。2017年から、AI俳人「一茶くん」の実証実験に取り組む山下倫央・北海道大学准教授は、俳句が生成されるプロセスをそう説明する。

大会入選ならず

同大調和系工学研究室が開発した一茶くんは、AIが苦手とする非合理的な感性や、独創性の習得に挑む。テレビ番組や公開イベントに積極的に参加して俳句を詠み、正岡子規らを輩出して「俳句の聖地」といわれる松山市や地元の俳句結社に助言をあおぎ、機械学習を重ねてきた。

〈天心に川を引くなり秋の風〉

〈二人出て水のつめたき春の川〉

9月に石川県加賀市で開かれた俳句大会で、一茶くんは二句を詠んだ。一般の愛好家に交じって俳句大会に参加したのは初めて。入選はできず、選者からは「季節が合っていない」と厳しい指摘も受ける。

大会は会場周辺の名所を訪れ、そこで抱いた情感をもとに句を詠む「吟行(ぎんこう)」の形式だった。4人から成る北大チームは山下准教授が撮った約30枚の写真を、札幌市の北大で待機する川村秀憲教授に送信。北大にある一茶くんのサーバーを操作して俳句を生成したが、結果にはつながらなかった。

一茶くんはディープラーニング(深層学習)によって3万8千の秀句と8千の季語、50万点以上の画像を読み込んで、これまでに大量の句を生成してきた。しかし、入選作と比べると、肝心の名所が盛り込まれておらず、音の表現もない。「吟行は不向きだったかもしれない」と山下准教授。

俳句を詠む手法は、意外性のある言葉の組み合わせで相乗効果を狙う「取り合わせ」と、語意を深く掘り下げる「一物仕立て」の2つに大きく分けられる。山下准教授は「AIは取り合わせが得意。それだけでは限界があるので、歳時記の語意をさらに深く学習させる必要も感じている」と課題を挙げる。

一茶くんの能力を上げるため、外部の意見も取り入れる。調和工学研究室は今夏にインターネット上のプラットフォーム「AI俳句協会」を設立した。サイトに登録すると、一茶くんの詠んだ句に星やコメントを付けて評価ができる。

恋の歌から学習

鍵を握るのはどれだけ多く評価を集められるか。「一茶くんが詠んだ句をどうみるか、人の評価を集めることでAIが良しあしの判断をできるようにしたい」と山下准教授。多くの人が共感しやすい俳句を詠めるようにしたい狙いがある。

短歌界でもAI歌人が活動を始めた。Q&Aサイト「教えて!goo」を運営するNTTレゾナント(東京・港)が開発した「恋するAI歌人」は、短歌の専門誌「短歌研究」8月号で計20首を発表した。

〈夕暮れの藪(やぶ)のかげすくほのあかり庭の桜の足もとにちる〉

与謝野晶子、九条武子、柳原白蓮、岡本かの子ら、近代女性歌人5人が残した約5千首を読み込んだ。様々な恋愛を経験した彼女らの心模様が映されている句を中心に学習することで「恋するAI歌人」らしさを出そうとした。開発に携わったNTTレゾナントの中辻真氏は「ランダムに句を生成するのではなく、AIが単語レベルで考えている」と強調する。

専門誌を発行する短歌研究社のホームページで、8月から公開中だ。人が初句を指定すれば二句、三句、四句、結句までを言葉のつながりを重視して詠む。公開から3カ月でのべ約5万首を生成してきた。

短歌研究社の國兼秀二編集長は「完成度はまだ高くないが、発想のヒントになるかもしれない」と、人が短歌を詠む際のツールとしての可能性を示唆する。

AI俳人やAI歌人はまだ歩き出したばかり。実力はまだおぼつかないが、AIを磨くことによって、人の創作の幅が広がっていく余地は十分ありそうだ。

(村上由樹)

[日本経済新聞夕刊2019年11月11日付]

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