毛布・布団を家で洗うコツ まずは洗濯機のコース確認
洗濯家 中村祐一
日増しに寒くなる季節。温かく眠るには、きれいに洗った心地よい寝具が欠かせない。毛布や布団を自宅で洗うコツを紹介したい。
まずは、自宅の洗濯機のコースを確認してほしい。洗濯のアドバイスをしていると、「標準コースか、ソフトコースなどの優しいモードくらいしか使っていない」という人が少なくない。皆さんはいかがだろうか?
洗濯機には毛布コースや大物コース、布団コースなどがついているはずだ。使ったことがないという人は、確認をして一度試してみよう。
通常の洗濯物に比べ、毛布はより多くの水を吸い込む。標準コースでは水が足りず、十分に洗いやすすぎができないまま終了するおそれがある。それを解消するために、毛布コースは水量が多い設定になっている。
洗剤は液体タイプを選ぶとよいだろう。ふんわりと仕上げたい場合や、ウールや羽毛素材などの動物性の素材の毛布や布団には、おしゃれ着用の液体洗剤を選ぶとよい。ちなみに動物性の素材の毛布や布団を洗うときは、洗濯機のソフトコースなどを指定し、水量を最高水位に設定するよう勧める。
毛布や布団を見ると、寝る時に顎が当たるあたりが汗などで汚れていることが多い。目立つ汚れがあれば、液体洗剤や液体の酸素系漂白剤を付けてしっかりなじませた後、40度前後のお湯で部分的に洗ってから洗濯機に入れよう。
機種によって、毛布類をネットに入れるのを推奨していたり、逆にネットは使わずに折り畳んで洗うことを勧めていたりと違いがある。私はいつも、毛布がよく動いて洗濯液とよく混ざるように、そのままバサッと洗濯機に入れて洗っている。羽毛布団の場合は、中の空気がうまく抜けていないと、洗濯機の振動が大きくなることがあるので少し注意が必要だ。
毛布コースを選ぶと、あらかじめ脱水の時間も長めに設定されており、洗い終わった後に水分がしっかり切れた状態で取り出すことができる。絞り足りないと感じるなら、洗濯が終了した後に一旦全体を少しほぐして、脱水だけ3分ほど追加してもいいだろう。
干す際は風通しを良くする。アクリル素材の毛布は、洗濯終了後そのまま乾燥機にかけて乾かすのもおすすめだ。乾燥機で仕上げると短時間で済むだけでなく、ふんわり感が全く別物となるはずだ。
ウール素材や羽毛の布団は、自然乾燥で一旦乾かした後、仕上げとして乾燥機で10~20分ほど回すとよい。これらはぬれている状態から乾燥機で乾かすと、縮みや傷みが起きる場合がある。一旦乾かした後に乾燥機を使えば、その心配は少ない。
1984年生まれ。クリーニング会社「芳洗舎」(長野県伊那市)3代目。一般家庭にプロの洗濯ノウハウを伝える「洗濯家」として活動。「洗濯王子」の愛称でメディア出演も。
[日本経済新聞夕刊2019年11月5日付]
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